2012年11月以降、内外市場のリスクオン(リスクを取った投資をする)傾向が持続する中、米国債券市場では10年国債利回りが2%を上回った。他方、日本国債市場では日本銀行の新体制における資産買い入れ等基金拡大への思惑などから10年国債利回りの低位安定が続いており、米日10年国債利回りの較差は拡大傾向である。

 ここ数カ月に限れば、米日10年国債利回り較差と円の対ドルレートとの連動性も高まっており、米国の長期金利動向には為替市場からも大きな注目が集まっている。

 リーマンショック以降、毎年1月から4月前半には米国の長期金利が上昇する傾向があり、同時に円安や株高も進行している。リーマンショック後にその傾向が顕著であることを考えると、同ショック後、雇用統計など米国経済指標に季節調整のゆがみが生じ、年初に強めの数値が出やすくなっていることが大きな要因と考えられる。

 ヘッジファンドなどの新規資金が年初に株式市場に流入することも一因と思われるが、11年初においては、前年秋に決定されたQE2(量的緩和第2弾)が株高をさらに後押しした。

 また、10年末のオバマ政権による減税パッケージが11年初の株高を、12年2月の給与税減税延長が同年初の株高を支えている。振り返ってみれば「リスクオンの季節」を演出する材料がそろっていたように思われる。

 13年については、12年12月にFRB(米連邦準備制度理事会)が資産買い入れ政策を大きく拡大したことや、「財政の崖」について米与野党が一定の妥協点を見いだしたことなどがリスクオンの推進力となっており、例年同様に4月中旬までは米長期金利上昇、そして円安が続くとの期待が高まっている。