全国隅々にまで張り巡らされた電話・インターネットなどの通信インフラ網。このインフラ整備の維持管理用に製作された地図が、NTT空間情報の「GEOSPACE(ジオスペース)」の原点だ。精度・鮮度の高さ、範囲の広さが特徴の電子地図は、地図会社やGISソフト会社、ナビ会社などを通して、さまざまな分野で活用されている。

 NTTグループは2000年ごろから、通信インフラの設備管理のために全国のデジタル地図の製作を自前で進めてきた。その情報を生かそうと、05年から地図データの販売を開始、11年に別会社化したのがNTT空間情報である。「GEOSPACE」ブランドの各種製品・サービスを、法人・自治体向けに提供している。

電子地図の他に
航空写真なども提供

取締役 営業本部長
中川 守
営業本部 営業企画部長
高木洋一郎
営業本部 第2法人営業部
担当部長
松井豊次

 都市計画図、森林基本図などをベースに整備された「GEOSPACE 電子地図」は、信頼性の高い地図情報基盤として、NTTグループ各社や外部企業、自治体で利用されるとともに、国土地理院の基盤整備事業においても採用されている。

 市街地で2500分の1、山間部でも5000分の1という高精度な縮尺の地図は、地形や道路、家、目標物の正確な把握を可能にする。

 同社では地図のメンテナンスのために、特別区・政令指定都市では毎年、それ以外でも3~5年に1回の航空写真撮影を実施。道路や地形、建物の変化を常に地図データに反映させている。

 営業本部第2法人営業部担当部長の松井豊次氏は、「今後GPS関連技術が高度化し、位置情報サービスが進化すると、今まで以上に精度の高い空間情報が求められます。精度と鮮度の高い当社の地図であれば、そうしたニーズにも応えられます」と自信を見せる。

 GEOSPACE 電子地図をメンテナンスするために撮影した航空写真は、「GEOSPACE 航空写真」として販売している。

 地図では表現し切れない地形や建物の全体像も、航空写真なら高い精度で把握することが可能だ。

 GEOSPACE 航空写真の画像は、縮尺精度2500分の1、地上解像度25センチメートルで、日本国土全域のうち約8割をカバーしている。ここまで広範囲にわたる航空写真を持つ企業は、他に例がないという。