東燃ゼネラルグループは2013年1月から3月にかけて、経理・人事・購買の業務拠点を従来のバンコクから大連へと移管させた。大規模なグループ再編に伴い、従前の親会社のシェアード・サービス・センターから、IBMが提供する「ビジネス・プロセス・アウトソーシング」(BPO)へと移行したのだ。日本、タイ、中国という三ヵ国連携のプロジェクトは容易なものではない。厳しいスケジュールなどさまざまな難題を乗り越え、大連での業務は予定通りにスタートした。

間接業務の拠点を
バンコクから大連へ移管

 2013年1月、東燃ゼネラルグループにおける間接業務の「ビジネス・プロセス・アウトソーシング」(BPO)が中国・大連で動き出した。3月には経理部門の第2フェーズがスタートし、順調な立ち上がりを見せている。

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 業務プロセスそのものを外部委託するBPOは日本企業にも浸透しつつあるが、同社のケースはかなり大規模なものだ。対象となったのは経理、人事、購買の3業務で、その中には高度な判断を必要とするプロセスもある。経営資源を得意分野に集中する傾向を強めている多くの日本企業にとって、同社の経験は多くの示唆を含んでいる。

 今回のBPOのそもそものきっかけは、2012年6月に実行された資本関係の変更だった。それはエクソンモービルというグローバル企業の一員から、日本企業グループへの再編という言い方もできる。エクソンモービルグループの議決権比率は過半数から約22%に低下し、東燃ゼネラル石油を中心に、EMGマーケティングや東燃化学などの関連会社が集まる新体制が発足した。東燃ゼネラル石油執行役員経理担当の桑野洋二氏は、次のように語る。

「2002年ごろから、当社は間接業務をタイ・バンコクに置かれたエクソンモービルのシェアード・サービス・センターに移管してきました。エクソンモービルのグローバルでの方針に基づく取り組みです。昨年6月の資本関係の変更で連結会社ではなくなるので、今後はそのサービスを自前でやることになりました。そこで、バンコクで100人あまりのスタッフが担う業務をどこかで継承しなければなりません。業務を再び内部化する、外部委託するという点を含めて、改めて検討しました」