最近、昼過ぎになると、男性でもトイレで歯を磨く人を多く見かけるようになった。歯磨きが習慣化すると、食後歯磨きをしないだけで気持悪く思えるのだ。新幹線の中でお弁当を食べた後でも磨く人は増えてきた。

 もともと女性は昼食後歯磨きをする人は多かった。今ではほとんどの人の習慣になっているように思う。

 さて、他人の歯磨きする姿をしっかり見たことがあるだろうか。ほとんどの人がないと思う。見ていると結構面白いものだ。同じようで個人差がある。

 大きな音を立てる人、全身を使う人、水をたくさん使う人……。いろいろな癖があるのだが、ほとんどかっこいい感じではない。

 それは、口を開けているからだ。無防備に開けていることが多い。歯ブラシのテレビコマーシャルでは、たいてい笑顔で爽やかだが、実際はそんな姿は見かけない。笑顔でもないし、口を開けていて、テレビコマーシャルでは見かけない歯磨きの泡が口にあふれているからだ。その瞬間に「美人」を感じる人はほとんどいない。

 その無防備な口の開き方は「美人のもと」を減らす原因になるのではないだろうか。泡とともに口から流れ出てしまうように。

 どうするか。

 まずは洗面所をきれいにする意識。だらしなく口を開けている人はたいてい洗面所に対して気を使わない。そのために水浸しにしたり、泡が鏡に飛んだりする。きれいに保とうという意識が「美人のもと」流出を防ぐ。

 そして、口の周辺に緊張感を持つこと。「美人のもと」が出て行かないようにやや力を入れることだ。ゴシゴシと磨くことに力を入れすぎて、口の周りに力をいれることを忘れる人がいる。ブラッシングはむしろ力まないで、口周りに力を持ってくる。

 目安は歯磨きに使わない方の手だ。たいていの人は右手で磨くので、左手。左手が口の周りの緊張感を表していることが多い。右手ではなく、左手に力を入れるのだ。すると、口にいい感じの緊張感を与えられる。しっかり拳をつくったり、開いたり。グーかパーをはっきりすること。美人の歯磨きは左手でしっかりじゃんけんをしている。「美人のもと」を増やすじゃんけんなのだ。

 右手で歯をケアし、左手で「美人のもと」を守る。食後の美人の習慣を覚えたい。