マサチューセッツ工科大学の博士号を持つ学生たちが、ウィンドサーフィンをいつでもやれる環境を作りたいから、とボストンからサンフランシスコに移住し、数人でビジネスを始め、そこからスピンアウトして生まれたのがインストラクタブルズです。昨年、Great Place to Workの「働きがいのある会社」ランキングのアメリカの調査で、54位に入っているCADの企業、オートデスクに20数億円で買収されましたが、取材時も環境はまさにベンチャーそのまま。CEOのエリック・J・ウィルヘウム氏にお話を伺いました。(撮影・編集部)

週の半分は在宅ワーク
出勤態度より結果がすべて

本田 おもちゃ箱をひっくり返したようなオフィスで、なんだか楽しそうな感じなんですけど、どういう働き方をしている会社なんですか?

仕事と趣味の境界線を曖昧にする。<br />仕事が趣味になれば、いつでも楽しいはず<br />【企業インタビュー:インストラクタブルズ編】インストラクタブルズCEO エリック・J・ウィルヘウム氏と筆者

エリック オフィスに出勤してこようとこまいと別に僕はどうでもよくて、結果がどうなるか、ということだけを見ているんです。でも、だいたいの人は、普通のビジネスアワーと言われるような時間に姿を現すわけですね。どうしてかというと、みんなとのやりとりを楽しみたいから。だから、水曜と金曜は在宅ワークが多くて、月曜、火曜、木曜は出社が多い。いつも出社してくるわけではないから、出社してきた朝はエネルギーに満ちていますよ。ミーティングも、そういうときに開かれることが多い。

本田 結果というのはどういう部分のことを言ってるんですか?

エリック わかりやすい指標でいえば、“インストラクタブルズ”というサイトにどれだけのトラフィックがあったか、プロジェクトがどれだけ進んでいるか。あと、広告がどれだけ入って収入を上げたかということなんですけれども、結局その数字自体にそれぞれのエディターみたいな人たちがいるわけで、彼らの満足感みたいなものに上手く繋がっているという形で現れるものだと思っています。

本田 こちらのビジネスは、“どうやって作るのか、作業するのか”という知見を広げるプラットフォームをネット上で提供することですよね。

エリック 例えば、こんなテーブルを作りたい、という投稿があれば、その作り方をいろんな人たちから教えてもらえる。ビジネスモデルは、作り方をプリントアウトできるなどの特典が得られる有料会員と、その作り方に付随するDIY関連商品の広告掲載。ターゲットと広告がまさにぴったりとマッチするビジネスモデルです。

本田 昨年、Great Place to Workの「働きがいのある会社」ランキングのアメリカの調査で54位に入っているCADの企業、オートデスクに20数億円で買収されましたが、環境はまさにベンチャーそのままですね。若い社員ばかりだ。そして、みんな完全に好きなことを仕事にしている感じですね。モノ作りが好きな人、映像や資料を作って教えるのが好きな人が集まってる。

仕事と趣味の境界線を曖昧にする。<br />仕事が趣味になれば、いつでも楽しいはず<br />【企業インタビュー:インストラクタブルズ編】インストラクタブルズ http://www.instructables.com/
“どうやって作るのか、作業するのか”という知見を広げるプラットフォームをネット上で提供すること。たとえば、こんなテーブルを作りたい、という投稿があれば、その作り方をいろんな人たちから教えてもらえる。ビジネスモデルは、有料会員と、その作り方に付随するDIY関連商品の広告掲載。