この1~2年ほどで、さまざまなデジタルツールのインタフェースが革命的に変わりつつある。その流れを決定的にしたのが、アップルだろう。直近で話題になったのは「iPhone」だ。

 画面を傾けると写真やWebの表示方法が変わるのは、センサーを内蔵しているから。また、タッチセンサーを生かして、画面をつまんだり広げるような操作で縮小拡大ができる。この操作は前のバージョンから踏襲されているのだが、実際に使ってみると、とにかく便利でわかり易い。

 これまでに利用してきたボタンによる縮小拡大よりもはるかに直感的に使えるから、誰しもが「人気が定着する」と実感したことだろう。インターフェースの進化は、テクノロジーや目新しさより、「それまでより使い易いかどうか」にかかっている。

μ1050SW
新登場のオリンパス「μ1050SW」は、初の「叩くデジカメ」。実売価格は一般的なコンパクトデジカメと同等で、4万円を切る

 そんななか、最近デジカメにも画期的なインターフェースを採用した新製品が登場した。オリンパスの「μ1050SW」は、ボディを叩いて操作するというかつてない製品だ。いったいどんな使い心地なのか。早速借用してテストしてみることにした。

 外観は、ごく普通のコンパクトデジカメである。iPhoneなどは、新しいインタフェースを採用した代わりに、ボタンがほとんどないデザインを実現している。ところが、このカメラはそこまで割り切ってはいない。

 たとえば、何も知らないユーザーが借りて使っていると、新しいインターフェースが採用されていること自体に気が付かないだろう。そこはエントリーユーザーも視野に入れたコンパクトカメラだけに、「使いこなせないのでは?」という心配は無用だ。とりあえず、ボディーを軽く叩いてみれば、画面にヘルプが表示される仕組みになっている。

 この機能は「タップコントロール」と命名されている。一番わかり易いのが、背面を1回叩く操作だ。つまり、液晶面やその周囲を軽く1回叩くだけでよい。すると、撮影モードと再生が切り替わる。

 当たり前のことだが、再生ボタンを押しても同じモードの切り替えは可能だ。だが、いったん慣れてしまえば、小さな再生ボタンを押すよりも、背面全体を叩くのが普通の感覚になる。内蔵センサーがなかなか賢く、叩く強弱もあまり関係ない。かなり弱く叩いてもちゃんと反応するし、やや強くても大丈夫だ。

 逆に、一般的な撮影の動作で誤作動することは一度もなかった。どこかにぶつけたり、電源を入れたままカバンにしまうといった、通常はあり得ない使い方をしたとき以外には、誤作動の心配はないと見てよい。