今、日本で個人が買える投資信託は全部で3376本。しかし、その中で「今、手元にお金がなくても個人が安心して資産を作れる投資信託」は、たった9本だけだった!金融業界を20年以上見続けてきたセゾン投信社長が語る、読むだけで「投資信託」のことがすぐわかる、ここだけの話。今回は、なぜ、銀行や証券会社の窓口へ行って相談してはいけないのか、というカラクリを紹介します。

「おすすめはなんですか?」と
言ってはいけない!

 投資信託を買ってみよう、と思ったときに、まず、皆さんは、どういうアクションを起こそうとするでしょうか。

 恐らく、「とりあえず金融機関に行ってみる」という方が大半だと思います。誰でも、給与振り込みなどで銀行に口座を持っていますから、まずは自分がよく利用している銀行の窓口に行こうとするのではないでしょうか。

 今、投資信託はさまざまな金融機関が扱っています。かつては証券会社だけしか扱っていませんでしたが、今では銀行が投資信託販売の主流になり、それ以外にも保険会社、ゆうちょ銀行などが、窓口を通じて投資信託を販売しています。

 投資信託を買おうという気にはなったものの、よくよく考えてみれば、投資信託がどういうものかすら知らない。だから、いつも利用している銀行の窓口に行って相談してみようと考えるのは、自然な流れです。

 でも、そこに大きな罠が潜んでいます。
投資信託を買うのに、金融機関の窓口で相談をしてはいけない。私は本当にそう思います。

 もしあなたが、たとえば銀行の窓口に行って、「実は投資信託を買おうと思っているのですが、何かおすすめってありますか?」と質問したとしましょう。

 投資信託に限らず、自動車でも家電製品でも、購入する際は販売のプロの意見を参考にするということは、よくある話なのですが、こと投資信託に関していえば、販売のプロの意見を聞いてはいけません。

 なぜなら、まさに彼らは販売のプロであり、運用のプロではないからです。つまり、より多くの手数料が取れる商品を、彼らは好んで販売する傾向が顕著に見られますし、運用のプロではありませんから、あなたの資産運用にとって有利な商品をすすめてくるとは限らないのです。

 そして、金融機関の販売担当者がどうしても今、ノルマとして売らなければならないファンドのパンフレットをずらっと並べ、「お客様なら、このファンドが良いのではありませんか?」などとすすめてきます。ですから「何かおすすめは?」などと、まるで寿司屋のカウンターで注文を出すようなことをすると消化不良を起こしそうなものが出てくる可能性が高いでしょう。

 では、そうならないようにするには、どうすれば良いのでしょうか。それは、自分自身で、どういう投資信託が欲しいのか、ということをしっかりと見定め、できれば購入したい投資信託も決めたうえで、それを販売している金融機関を探して、購入手続きを取ることです。

 投資信託というのは、何を組み入れて運用するのかによって、リスク・リターンの特性が大きく変わってきます。日本株、米国株、欧州株、さらに新興国の株……。株だけではありません。いろいろな地域の債券、金やコモディティなど、ありとあらゆる投資対象を組み入れることができます。ですから、中身を知らずに、自分に合わないものを購入して、結果的に手数料だけ取られてソンしてしまう……ということが起きてしまうのです。

 前述したように、日本国内で設定・運用されて個人が買える投資信託の本数は、3376本もあります。当然、このすべてを買うというわけにはいきませんし、手始めに1本、何かを買ってみようという人が大半でしょう。3376本もある中から、自分に合った1本を選ぶというのは、それはそれで大変な作業です。

 でも、ご安心ください。実はそれらの多くが資産作りには向いていない投資信託です。

 詳細は本書に譲りますが、おすすめされる投信で避けるべきものをこの連載ではいくつかご紹介したいと思います。