仕事はできるのになぜか評価が低い人がいる。一方で、仕事では目立たない人がなぜか出世することも多い。どうやら仕事ができるかどうかと出世の基準は違うらしい。
出世する人とそうでない人、果たしてどこが違うのだろうか? 文筆家・千田琢哉氏が3300人のエグゼクティブとの対話から生み出した『出世の教科書』。その70のルールの中から厳選した「出世する人の20の共通点」をご紹介しよう。

その1 手柄はすべて譲る

「上司が私の手柄を全部横取りしてしまいます!」。これは、出世できない人間の典型的な口癖だ。

 最後に天下を取るのは、上司に手柄をすべて譲る人間だった。

 あなたの仕事は上司を出世させるために存在すると考えていい。ここを押さえておかないと、永遠にあなたは出世することができないだろう。

あなたが出世するためには、あなたの上司を出世させるのが一番近道なのだ。上司が求めてくる前に、間髪入れず全部手柄を与えてしまおう。

 あなたも出世すればわかるが、「上司の上司」にはすべての実態は丸見えだ。

出世の法則 1
出世する人は、手柄を譲り続けて最後に際立つ。
窓際の人は、手柄を奪い続けて最後に干される。

 

その2 服装は控えめだが結果を残す 

 外見の派手さと仕事の能力は、およそ反比例する。

「第一印象ですべてが決まる!」「第一印象が命!」と虚勢を張ると、相手に自信のなさが伝わり敬遠され、嫌われてしまう。嫌われるということは、一緒に仕事をしたいと思われないということだ。一緒に仕事をしたいと思われないということは、お金を稼げないということだ。

第一印象では「いかに相手を威嚇するか」ではなく「いかに相手に気を遣わせないようにするか」に注力すべきなのだ。

出世の法則 2
出世する人は、控えめな服装で派手な実績を残す。
窓際の人は、派手な服装で控えめな実績を残す。

 

その3 雑用が丁寧で速い

 雑用のやり方を見ていると、出世コースを歩むか窓際コースを歩むかが露骨にわかる。

 出世コースを歩む人は、雑用を丁寧に速くやる。普通は手を抜きがちな雑用を丁寧に速く仕上げていくと、社内で際立つ。その結果、「こいつに雑用させておくのはもったいない」と雑用を取り上げられて出世していく。

 窓際コースを歩む人は、雑用を文字通り雑にだらだらとやってしまう。その結果、「まだこんなこともできないのか」と定年まで雑用をやらされ続けるのだ。

出世の法則 3
出世する人は、丁寧に速くやる。
窓際の人は、雑にだらだらやる。

 

その4 最初に失敗し、それを活かす

 成功者は最初に失敗することが多い。自らハードルを上げるからだ。そして、失敗を死ぬほど悔しがって次に活かすからどんどん成長していく。

 それに対して窓際の人は、最初に成功することが多い。人の背中に隠れて挑戦者の失敗をこっそり見ておきながら、自分はやや低めのハードルに挑んで成功させるのである。

 そしてそのまま過去の栄光にしがみついて努力を怠り、いつまでも周囲に武勇伝を語り続けることになる。

出世の法則 4
出世する人は、最初の失敗を活かす。
窓際の人は、最初の成功にしがみつく。