10月22日に米政府機関の一部閉鎖により遅れていた9月分の雇用統計が発表され、雇用者数は前月比14.8万人増にとどまった。

 また同日、CEA(米大統領経済諮問委員会)は、政府機関閉鎖と債務上限問題の影響による混乱によって、10~12月期の経済成長率は0.25%押し下げられるとの試算を発表した。この試算は、10月12日までの指標を基にしたものであり、その後も閉鎖が続いたことで成長率の押し下げ圧力は大きくなる可能性も指摘された。こうした中、米国景気の減速観測が強まった。

 上記の試算では、小売り売上高、消費者マインド、雇用、鉄鋼生産、住宅購入申請に関する日次や週次の「足早」な指標八つが用いられた。そこに含まれなかったが米国の週次石油統計も、見方を工夫すれば、足元の景気動向を分析する上で有用な指標である。

 内容を見ると、10月に入って以降、産業向け用途が中心となる中間留分(軽油など)の需要が低調だった。政府機関閉鎖や景気先行き不透明感によって、トラック輸送など産業活動が抑制されたことが推察される。