ほろ苦い再任

 バーナンキFRB議長が再任された。しかし、30票という反対の数は史上最高を大幅に更新しており(賛成は70票)、批判がくすぶる中での再任となった。

 バーナンキ氏は、共和党のブッシュ政権で選ばれたFRB議長だったが、昨年のオバマ大統領による再任の意思表明を受けてここのところ上機嫌だった。「Time」誌で昨年の顔に選ばれた際に受けたインタビューでは、自らの住宅ローンの借り換えといった、考えようによっては際どい話題まで披露した。ちなみに、バーナンキ氏は2、3ヶ月前に、変動金利で借りていた自宅の住宅ローンを30年の固定金利に借り換えたのだという。FRB議長が将来の金利上昇を予測して、借り換えを行ったとも言われかねない個人の事情だが、考えてみると、56歳で30年ローンとはご苦労なことだ。FRB議長は「世界で最も影響力のある人物」の上位に挙げられることもあるポストだが、その報酬はそう高くない。しかし、名誉と権限は大きいし、その気になれば前任者のグリーンスパン氏のように退任後に著作や講演で大儲けできなくもない。

 しかし、油断は大敵ということか、今年に入ってから、彼の再任に反対する声が議会の複数の議員から上がって、雰囲気が悪化していた。再任が拒否される事態にならなかったことは、御本人とともに大方のマーケット関係者の安堵するところだが、批判付きの再任という印象になった。

 先の「Time」誌が高く評価したように、リーマンショック後の金融危機発生後のバーナンキ氏の対処は概ね好評だ。彼への最大の批判材料は、2006年の2月にFRB議長に就任したバーナンキ議長がその後のサブプライム問題から金融危機に至る資産価格のバブルとその崩壊を防ぐことが出来なかったことにある。

 この批判は妥当なものだろうか。