ピンクブームはアベノミクス効果?

 最近やたらと、身の回りに「ピンク色」のシャツやパンツを着る人が多いと感じることはないだろうか。

 実際にピンク色のシャツの売行は好調だ。服飾ブランドの「トミーヒルフィガー」表参道店メンズフロアマネージャーの加藤俊亮さんはこう話す。

「今年はアベノミクス効果で好景気の兆しがあり、心理的な明るさが色選びにも影響。明るいカラーの商品が非常に人気です。クールビズのタイミングでは特にピンク系のリネンシャツの売行が好調で、売上枚数は前年比74%増(4月~5月中旬の集計)。また引き続き11月からのウォームビズでも暖色系の明るい色が人気となっています。購入する年齢層も30代~40代を中心に、20代、60代と幅広いです」

 パンツでは、ユニクロが今春に発売し人気となったメンズレギンスジーンズにもピンク色がラインナップされ、話題となった。ピンクはメンズファッションで着実にトレンド化しているようだ。

ピンク鍋男子も登場!

「桃鍋男子」も登場!<br />職場でも増殖する“ピンク旋風”どこまで?サーモスのピンク鍋を使う安田俊樹さん。「ピンク鍋で調理すると料理も楽しくなる」と話す

 ピンクブームはファッションにとどまらない。記憶に新しいところではトヨタ自動車が9月から1ヵ月限定で注文を受け付けたピンク色のクラウン(「アスリートG“ReBORN PINK”」と「アスリートG i-Four“ReBORN PINK”」)が約650台を受注。富裕層の比較的年齢が高い男性がターゲットであるクラウンで、ピンク色の車種が一定数売れることは注目すべき現象だろう。

 ブームはさらに調理器具にも波及している。サーモスは真空断熱技術を利用し余熱でじわじわと調理する真空保温調理器「シャトルシェフ」シリーズで、1.6リットルの単身者用鍋を発売し、シリーズでは初めてピンク色の商品をラインナップ。シャトルシェフは仕事が忙しい時も手間をかけず料理が作れるロングセラー商品だが、新発売の単身者用鍋ではピンク色が他の色に比べ約2倍の出荷数(2013年8月~10月)という人気ぶりで、意外にも店頭では若い独身男子の購入が見られるようなのだ。

 音楽関連会社に勤める安田俊樹さん(上の写真)も、サーモスのピンク鍋を愛用する1人。「仲間を呼んでホームパーティーをすることが多く、ピンク鍋だとテーブルが華やかになるので購入した。ピンク色のアイテムを使うことに抵抗はない。友達がピンクの携帯電話やスマホを使っていたり、同僚がピンクのセーターを着ていたりと、最近華やかなピンク色を使う男性は増えていると思う」と、話す。

 まさに男子に“桃色時代到来”といった様相だ。