富士ゼロックス社長 山本忠人
撮影:住友一俊

──鉱工業生産指数が5月まで3ヵ月連続で上昇するなど、製造業の生産調整が一巡した。景気は回復局面に入ったのか。

 事務機業界では、景気の遅行指標として、プリントボリューム(事務機で印刷される紙の枚数)の多寡に注目している。それによれば、6月には最悪期を脱した。すでに、景気は底打ちし、8月以降は回復へ向かうだろう。

 もっとも、回復は弱含みだ。重要顧客である自動車産業の設備投資、工場稼働率が平時の水準に戻ったわけではない。依然として、企業のコスト削減に対する要請は強く、一般的に売上高の3%を占めるといわれる事務機関連コストは、真っ先に削られるコストだ。市場環境は厳しい。