消費税増税直前の3連休、消費者の購買意欲に火が付いて店舗は大混雑になる予想。高額商品ほど早めに購入の決断が大切だ。

欲しい時計の在庫が無くなる可能性も

 3月に入って消費者はどう行動するのか。経営コンサルタントの竹内謙礼氏は「春分の日(21日)が絡む連休から消費者が動きだす」と予測する。「そして最終日曜日の30日は大混雑が起こるでしょう」。

 消費税は1989年にまず税率3%でスタートし、97年4月に5%に引き上げられた。「いずれのときも駆け込み需要が起こっています。たぶん今の時点で多くの消費者は『今回は駆け込みは起こらない』『自分は駆け込み買いなんてしない』と高をくくっているでしょうが違いますよ。デフレ下だからこそ、増税という"祭り"が近づけば1円でも安く買いたいという気持ちになって、消費者は店に走るはず。それが人間の心理です」。

 そこで時計、ゴルフ用品、高級酒、家具、自動車のような嗜好性の高い高額商品ほど連休前までに購入の決断をしたほうがいいと竹内氏はアドバイスする。「すでに高額商品を扱うショップには多くの下見客が訪れています。連休に入ってから行動したのでは欲しい商品が買えない可能性があるからです」。

竹内謙礼/たけうち・けんれい
経営コンサルタント。有限会社いろは代表取締役。雑誌や新聞に連載を持つ傍ら、全国の商工会議所や企業等でセミナー活動を行う。日経MJ上で毎週月曜日「竹内謙礼の商ビズNOW」を好評連載中。

 欲しい時計やゴルフ用品があるのなら迷わずに買えばいいが、自動車を買う場合は二つの注意点がある。まず自動車の消費税は契約時ではなく登録(軽自動車は届け出)時で判定される点。3月中に契約しても登録が4月にずれ込むと8%の対象となる。また「自動車の営業マンは焦っている消費者心理を逆手に取って値引きを渋るかもしれません。交渉の主導権を握られてしまったら仕切り直して、4月以降の買い控えの時期を狙って再交渉する手もあります」。

 悩ましいのは保管場所に困る家具。新居に入居するのは3ヵ月先、でも5%のうちに家具をそろえたいといったケースでは、家具店に「預かりサービス」が利用できるか聞いてみるといい。この他に竹内氏は、人気が高いタブレット端末と、4月9日でサポート終了を迎えるウインドウズXPを搭載したパソコンの買い替え需要が盛り上がり、品薄になるだろうと予測する。

日用品はまとめ買いでポイントをためる

 一方、低額商品は買いだめが基本だ。コメや乾物類、水、缶詰、肌着、シャンプーや洗剤のような、保存が効く商品を在庫切れする前にまとめ買いする。竹内氏が勧める裏技はポイントサービスがある店を選ぶこと。「増税前にまとめ買いでポイントをため、増税後にそれを使えば3%分の補填ができます」。

 高額な商品ほど増税前に迷わず買う。低額商品はまとめ買いをしてポイントをためる。それが賢い消費者の行動である。