先週の総括

 先週の日経平均株価は、前週の米国株式の下落をうけ弱含みで始まった。1日発表の日銀短観は特に材料視されず、週初は小動きであった。UBSなど欧米の金融機関が資本増強したことにより金融システムの不安が後退、週央には急騰。今年3番目の上昇幅である532円高を演じた。為替も1ドル102円台まで円安が進んだことも買い安心感を誘った。週末は戻り売りに押されたものの、結局前週末比3.7%高い1万3293円で引けた。

 規模別には、大型株中心に上昇した。マザーズ指数・東証2部指数ともに前週比マイナスの動きであり、中小型株は冴えない展開。業種別には、金融システム不安の沈静化を反映して保険・不動産・銀行など金融株が急騰した。一方で輸送用機器・非鉄金属などが下落している。

今週の予報

住宅業種:
新設住宅着工の回復は期待薄で「雨」

雨

 今週の日経平均株価はもみ合いの展開を予想する。25日移動平均からの乖離率が5%を越え、戻り売りも出やすい状況だ。経済指標の悪い数字にも反応しなくなったことは評価できるが、投資家も今期業績を見極めたいという慎重姿勢を崩しておらず、上値追いは難しいであろう。

 住宅業界は、PBR1倍前後の銘柄が多く株価の下値不安は少ないが、住宅着工の回復は期待し難しく、上値を追うことは考えづらい。住宅事業の低迷を不動産関連事業で補うシナリオも崩れそうだ。現状見送りが無難だろう。

 国土交通省が発表した2月の新設住宅着工数は、前年同月比5.0%減少の8万2962戸であった。うるう年効果も無く期待はずれの状況だ。昨年6月20日に改正建築基準法が施行され、建築確認が厳しくなった。それ以降、7月▲23.4%、8月▲43.3%、9月▲44.0%、10月▲35.0%、と大幅な減少が続いている。こう見ると、改正建築基準法が悪役になりそうだが、実際は4月▲3.6%、5月▲10.7%とそれ以前から新設住宅着工の前年比はマイナスに転じており、改正建築基準法は減少幅の拡大を後押ししたにすぎない。