消費者の「ナマの声」は、企業にとって貴重な情報だ。そんな情報にあふれているのが、人々が気軽につぶやく「場」としてのツイッターである。これを活用してマーケティング活動を改善しようとする企業が増えている。そんなニーズに対応して、イマージュはツイッター分析ツール「MOON」を提供している。

イマージュ 田山修一代表取締役社長イマージュ
田山修一
代表取締役社長

 ソーシャルメディアによって、消費者による情報発信は飛躍的に増えた。その双璧といえるのが短い文章で気軽に投稿できるツイッター、人から人への情報の伝播(でんぱ)を促進するフェイスブックだろう。急速に普及するソーシャルメディアをビジネスに活用しようという動きも目立っている。

 多くの企業が狙うのが、マーケティング活動の進化である。消費者へのインタビューやアンケートなどの従来型調査には、ある種のバイアスがある。回答者は「よそ行き」の受け答えをしがちだからだ。これに対して、ソーシャルメディア上には「ありのままの声」があふれている。自社、あるいは自社商品に関連する消費者のナマの声を聞くことで、マーケティングの改善や新商品開発などに生かそうとする企業は多い。 

情報の鮮度が高い
ツイッターにフォーカス

 また、ソーシャルメディア上のネガティブな投稿に対処したいと考える企業も少なくない。自社商品に対する「使いづらい」といった批判もあれば、従業員のつぶやきが炎上に発展するケースもある。アルバイトによる投稿がきっかけで、店舗閉鎖に追い込まれた事例もあった。そんな事態にすぐに対処できるよう、自社名などを検索するエゴサーチを、業務の一環として頻繁に行っているマーケティング担当者も多い。

 こうした時代の動き、企業のニーズを受けて、ツイッター分析ツールを提供しているのがイマージュである。同社の田山修一社長は次のように説明する。
「当社はこれまで、ウェブ制作などの受託開発をメインに事業を展開してきました。プログラミングに関する長年の経験、技術を生かして、ソーシャルメディアを見える化するツールを開発しようと考えました」

 開発のきっかけは、顧客企業からの「手頃で便利なツールがない」というひと言だったという。ソーシャルメディア横断型であらゆる情報を収集・分析できるツールやサービスはあるのだが、それらはかなり高価だ。

「毎月数十万円という有償サービスが多く、これではマーケティング現場が予算要求するにも二の足を踏んでしまいます。そこで、必要な機能に絞り込み、シンプルで使いやすいツールを開発して、企業が手軽にソーシャルメディア情報を収集・分析できるようにしたいと思ったのです」と同社開発責任者の桑野志朗部長は語る。

 シンプル化の一環が、対象をツイッターに絞ったことである。その理由について、桑野部長は続ける。

「ツイッターは他のソーシャルメディアよりも匿名性が高いためユーザーのホンネ(主に悪口)が語られやすく、情報(クチコミ)の拡散スピードも突出しているのが大きな特徴です。その情報を蓄積して提供すれば企業のニーズに十分対応できる。そんな考え方から生まれたのが、2012年7月にサービスを開始したツイッター分析ツール『MOON』です」

「MOON」を使ってリアルタイムにユーザー分析