「中東のシリコンバレー」と評されるイスラエルではあるが、「なぜ、イスラエルなのか?」「イスラエルが強い分野は何か?」と、著者自身がクライアントなどから聞かれることが多い。今回はイスラエルが強いとされるサイバーセキュリティ分野と、2014年に入ってからの最新の状況を記してみたい。

イスラエルサイバーセキュリティ業界のキーマンたち

 イスラエルでは2014年2月末時点で、筆者が独自に掴んでいる情報だけでも既に100社程度の会社が新たに生まれている。今年も恐らく、500~600社程度の企業が誕生するであろう。

 その中でまず、昨今日本でも盛り上がりがあるサイバーセキュリティ業界を取り上げたい。この分野、イスラエルでのキーマンの1人として、まず、シュロモ・クレイマー(Shlomo Kramer)氏の名前を挙げたい。

 クレイマー氏は、ファイアウォールのチェックポイント社の創業者で、現在はImperva社のCEOである。Imperva社は、2014年に入り、クラウドセキュリティ関連の会社2社Incapsula社とSkyfence社の買収を行った。

 クレイマー氏とミッキー・ブダエイ(Mickey Boodaei)氏らが出資したサイバーセキュリティ関連のHyperwise Security社(会社HPなし)、SDN(Software Defined Networking)向けのサイバーセキュリティのGuardicore社、CISSP(国際的に認められた情報セキュリティ・プロフェッショナル認証資格)を持つニル・バルトマン(Nir Valtman)氏が設立したCrowdome Security社など、筆者自身が注目する企業である。