ホワイトカラーの業務改善を妨げるのは、やはり人である。やらされ感をぬぐえない限り、継続することはできない。そのために必要なことは、「業務のチャート化」と「仕事の数値化」。この2つの業務を管理する技術は改善への気づきを与え、改善活動を習慣化する。

1回目は、「コストは半分に、システム費用は1/10に! 面白いほど社員の動きが変わる5大ポイント」というテーマで、新刊『トヨタ式ホワイトカラーの業務改善 最少人数で最強組織をつくる』より、業務改善がなぜうまくいくのかを5つのポイントに絞って紹介した。2回目からは、本書の序章を分割して紹介している。なぜ、ホワイトカラーの改善に効果を発揮し、継続して活動できるのか、序章で紹介する歩みにその秘密は隠されている。

このままでは競争に負ける

 バブル崩壊以降、日本経済は長きにわたって停滞し続けてきた。ようやく経済が持ち直してきたかと思えば、世界同時不況で再び混迷の時代に突入。2010年には名目GDPで中国に抜かれ、世界2位の経済大国の地位から陥落した。1000兆円を超えて増え続ける累積財政赤字、少子高齢化による人口減少など、日本経済は困難な問題を抱えながらゆるやかに衰退している。

 そのような状況のなか、日本企業も活気を取り戻せないでいる。その問題の核と言えるのが、ホワイトカラーの業務の非効率性にあるのではないだろうか。

 公益財団法人日本生産性本部がまとめた2012年度版『労働生産性の国際比較』によれば、日本の労働生産性(就業者一人当たり名目付加価値)はOECD加盟34ヵ国中第19位で、主要先進7ヵ国のなかでは1994年から18年連続で最下位となっている。

 一方、製造業だけで比較すれば、日本の生産性は世界で6位。製造業の生産性も低落傾向が懸念されるが、それでも非製造業よりはまだ高い水準にあると言える。

 グローバル化がますます進む世界経済のなかで、ホワイトカラーの労働生産性が低いままでは、日本企業は激化する競争に勝ち残っていくことができない。今こそホワイトカラーの活力を呼び戻して、労働生産性を向上させることが、グローバル社会において企業の競争力を高めるためには必要なのだ。

業務改善は習慣化できる

 経営層の業務改善への取り組みには一定のサイクルがある。ひとたび、業務改善を行なってみるが、継続的な活動にならないで終わることが多い。だから、しばらくしてまた必要性を感じて活動を始める。そんなことが6~7年周期で繰り返されている会社も多い。