歌舞伎町の新しいランドマークは<br />「アート」が共演するホテル最もハイクラスの「ザ・ペントハウススイート」2名15万円~。ニューヨークのペントハウスをイメージした吹き抜けと一面に広がる窓からは、新宿の夜景を独り占めできる。中央のラグは京都の工場で特注したという逸品で、ディレクター・谷口氏のこだわりが光る贅沢な空間だ

 新宿区歌舞伎町――「不夜城」と謳われるこの街で、国内外から人気を集める“クリエイティブホテル”があるのをご存知だろうか。

 その名は「新宿グランベルホテル」。ホテルのネオン街の中でも、ひときわ威容を誇る17階建ての瀟洒な外観。昨年12月のオープン以来、歌舞伎町の新たなランドマークとして注目されている。13階のテラスバーからは、西新宿の高層ビル群をはじめ、新宿の賑わいを一望でき、非日常的な開放感に浸ることができる。

 支配人の丸山英男氏は、次のように語る。「当ホテルは、シティホテルとビジネスホテルの中間の位置づけにあります。海外のお客様、特にアジアからのお客様に人気で、現在、国内・海外のお客様の比率は約5:5です」

 また、東京メトロ副都心線の東新宿駅が誕生したことにより、人の流れも変わったことも奏功した。「JR新宿駅と副都心線に囲まれてアクセスが良い上、大久保のコリアンタウンも近いとあって、お客様にはたいへん喜んでいただいてますね」

 さらに、このホテルのもうひとつの魅力が、そのアーティスティックなデザイン性だ。「FUN to STAY」をデザインコンセプトに、街の文化やステイ時間を存分に楽しめる仕掛けを作っている。新宿グランベルホテルのデザインキーワードは、「HIP」「エッジ」「官能的」。全380室ある客室のデザインは、実に33タイプにも及び、「東京の夜景」「香港の油麻地地区」「落ち着きのある邸宅」…などのテーマに基づいて独自の世界観を表現している。

 デザインを手掛けたのは、「ホテルクラスカ」や「キッザニア」などで知られるデザイン集団UDS。デザイナーの俊英たちが集まる同社は、新宿グランベルホテルに先駆けて2006年にオープンした「渋谷グランベルホテル」と「赤坂グランベルホテル」のデザインも手掛けており、その実績が評価されての起用となった。

 この他にも、バーニーズニューヨークのクリエイティブデザイナー、谷口勝彦氏が参加する他、日本や香港、カンボジアなど、アジア各国の新進気鋭の"ネクスト・アーティスト"も多数起用。最前線のデザインの発信基地のような役割も担っている。

「著名な一流デザイナーよりも、次世代を背負う若手アーティストのほうが、我々のイメージに合っていると考えています。歌舞伎町という面白いロケーションにおいて、未知数の可能性や将来性を創り出していきたいですね」(丸山氏)

 歌舞伎町というエキサイティングな舞台装置、そしてカオスな空気感が、このホテルのエッジィな存在感をさらに高めているように感じる。宿泊だけでなく、バーやレストランでの飲食も充実しているので、一度足を運んでみてはいかがだろう。

(田島 薫/5時から作家塾(R)