「努力すれば、夢は叶う」「がんばることは素晴らしい」。学校や社会の中で、この価値観を教えられてきた人が多いかと思います。しかし現実問題として、本当にこの考え方は正しいのでしょうか。人生を充実させることができるのでしょうか。

「夢を諦めずにがんばり続ける」のは、
本当に正しいのか?

 夢を持つのはすばらしいことです。でも、夢には期限をつけるべきだと僕は思っています。

前回の記事でも述べましたが、僕の知人に、芸大合格を目指して5年、10年と挑戦し続けている人がいました。そんな人に対して「夢を諦めずにがんばっているなんて、すごい!」と評価する人も大勢いますが、僕は懐疑的です。

 もちろん、がんばること自体を否定するつもりはありません。
 しかし、「芸大合格を目指していたら、30歳になっていた」ら、その人の人生は本当にそれでいいのだろうかと思ってしまいます。

 仮に芸大に合格しても、それで画家になれるわけでも、イラストレーターになれるわけでもありません。飯が食える保証など、どこにもないわけです。

 こんなことを言うと、「世の中には何十年も不遇の時代、下積みを経験した後に成功する人もいるじゃないか」と反論する人が出てきます。テレビや雑誌は、そんな「不遇の成功者」をとり上げ、美談に仕立て上げるのが大好きです。