主要メーカーの2008年3月期決算が出揃った。薄型テレビの市場拡大が売上高を押し上げたものの、テレビ事業の利益水準は決して高くない。ソニーに至っては、4期連続で営業赤字を拡大させている。それでも各社は、この市場に覇権の夢を追い続けるのだ。

ソニーのテレビ事業は4期連続の赤字 2008年3月期の決算発表を受けて、翌5月15日のソニーの株価は、一時10%近く跳ね上がり、420円高の5170円に終わった。連結売上高は8兆8714億円、最終利益は3694億円で、いずれも過去最高を記録した。営業利益は前期実績の5倍強の3744億円(うちエレクトロニクス事業が3560億円)に拡大した。今期の営業利益予想を20%増の4500億円としたことが、なにより市場に好感され、11年ぶりの増配も背中を押した、かに見えた。

 ところが、16日には下げに転じ、株価の動きに力強さはなかった。その理由を、大手証券会社のアナリストは、「会社が今期こそはと意気込む、液晶テレビの黒字化への疑問の表れだ」という。

 ソニーは世界シェア首位を賭け、韓国サムスン電子とデッドヒートを続けている。実際、売上高も売り上げ台数も、ここ数年順調に拡大してきた。しかし、08年3月期のテレビ事業は、1兆3671億円の売上高(外販)ながら、営業利益は730億円の赤字である。営業赤字は4期連続であり、いっこうに浮上できないのだ。

 ブラウン管や液晶リアプロジェクションの保守や撤退費用の計上を強いられたとはいえ、約400億円程度が主力の液晶テレビの損失と見られる。「価格下落にコスト削減努力が追いつかなかった」と、大根田伸行CFO(最高財務責任者)は敗因を述べる。エレクトロニクス事業の営業利益3560億円のうち、2000億円以上をビデオカメラやデジタルカメラで稼いでいると見られ、屋台骨は従来とほとんど変わらない。円安による804億円の追い風もあった。