2009年3月に再び株式市場の下落を経験した世界は、さらに危機感を強め、世界経済回復に向けて互いの連携を深める努力を続けます。3月、4月と続いたG20の枠組みが、一定の数値目標で合意を得られた頃、ようやく各国で見え始めた景気底打ちの兆しと共に、市場は落ち着きを取り戻して行くのです。

09年第1四半期を底に
主要国の経済は回復基調へ

 4月にロンドンで行われたG20金融サミットでは、参加国が2010年末までに総額5兆ドル(約500兆円)の財政出動をすることで合意しました。そして、これにより、数百万人分の雇用維持・創出を行い、2010年の世界経済成長率を2%に回復させることが宣言されたのです。

 500兆円という巨大な数字は、実は各国で既に発表されていた景気対策の積み上げであったようですが、そのアナウンスメント効果は市場に安心感を与えるに十分なものでした。G7に留まらず、中国やインド等新興国も含めた各国において、景気対策を継続していくことが国際公約となったことは、世界経済にとって大きな成果であったと言えます。

 そして、時を同じくして、各国が2008年末から2009年にかけて実施してきた景気対策の効果が現れ始めてきました。下のグラフのように、主要国の経済は、2009年第1四半期を底として、ほぼ同時に回復を見せ始めたのです。

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 このG20による国際協調の深化と、実際の数字面での回復が見え始めたことで、株式市場はようやく落ち着きを取り戻します。その後の回復のスピードに差はあったものの、各国とも時を同じくして3月が株式市場の底となり、実体経済の回復に向けて期待が膨らみ始めたのもこの時期です。

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