「日本の教員は、能力はあるが自信がない」「他の国に比べて仕事時間が最長」

 OECDが6月に発表した各国の教員指導環境調査の結果は衝撃的だった。学級崩壊やモンスターペアレンツの存在、業務の多さに忙殺される実態や、いじめ問題で繰り返される教員批判。教員に関してはこれまでもさまざまな報道がなされてきたが、実際に教員を目指す学生たちは、この現実をどう感じているのか。情報ポータルサイト教員ステーションを運営する「トモノカイ」(東京都渋谷区)が行った調査を見てみたい。

34ヵ国中、仕事時間は最長
忙しく、自信がない日本の教員たち

 OECDが34ヵ国の中学校(日本は192校、3521人の教員と校長)を対象に行った調査結果では、指導力への自信などを問う質問について「できる」と答えた割合は、各国の平均が約90%のところ、日本は50%前後と軒並み低かった。特に「生徒に勉強ができると自信を持たせる」ことが「よくできる」と答えた割合に至っては、各国平均が85.8%だったのに対し、日本はわずか17.6%だった。

 さらに、仕事時間は週に53.9時間と34ヵ国中で最長。50時間を超えたのは日本だけだったが、授業に使った時間は各国平均を下回り、授業時間以外の課外活動指導や一般的な事務業務に忙殺されている実態がわかる。

「働き過ぎ」は日本では教員に限ったことではないかもしれないが、教員が過労状態では、子どもたちに良い影響があるとは思えない。また、自信がないのも気になる点だ。

 こういった状況を受け、「トモノカイ」が行った調査結果がある。調査は、同社が運営するポータルサイト「教員ステーション」および、アルバイト情報中心のメールマガジン「t-news」のユーザーである大学生・大学院生268人が対象(※)

「OECDの調査で、日本の教員の多忙さが明らかになりましたが、そうした状況をふまえたうえで、あなたは日本で教員になりたいと思いますか」という問いに、「強く思う」と答えた人は12人。「思う」(39人)、「あまり思わない」(120人)、「思わない」(97人)と、約8割が「あまり思わない」「思わない」と回答する結果となった。

 同社ではさらに、教員になることを志望している可能性がさらに高いという、日頃から「教員ステーション」を利用しているユーザーのみ(28人)の回答も集計。結果は、多少「強く思う」「思う」の割合が増えたものの、それでは64%が「あまり思わない」「思わない」という回答だった。

(※)調査日時は7月15日~21日。調査方法はWebアンケート

教員志望の学生でも6割以上が躊躇?<br />「日本で教員になりたくない」過酷な学校の現実※日頃から「教員ステーション」を利用するユーザー28人への調査結果