撮影から保存まで手軽にできる時代だが
流出の危険性は頭に入れておくべき

 ジェニファー・ローレンスやケイト・アプトンなど、ハリウッドの人気スターたちのプライベートヌード写真がネット掲示板に流出し、話題となっている。米国では、アップルのクラウドサービス「iCloud」にストックしていた写真だと報道されており、FBIやアップルもこの問題の調査に乗り出した。

 iCloudは、インターネット上に画像や音声などのデータを保存する無料サービス。ここに保存しておけば、パソコンだけでなく、iPhoneやiPadなど、さまざまなアップルのデバイスで同じデータを利用できる。iCloudそのものがハッキングの対象となったのか、それとも、なんらかの手法でIDとパスワードが破られて侵入されたのか。前者だとすれば、アップルだけでなく、クラウド業界全体にとって大問題だ。しかし、後者である可能性も大いにあり、いずれにしてもユーザーにとって無視できない事件だ。

 かつて紙焼き写真しか存在しなかった時代は、現像に出さなければならないから、きわどい写真は控えるのが常識だったはず。しかし、デジカメの時代となり、紙焼きにしなくてもデータを簡単に保存して楽しめる時代となり、他人に見られたくないが、自分自身の記念や自分と恋人のために写真を密かに撮りためる人も大勢いるはず。昨年、女子高校生が元交際相手の男に殺されたあげく、ヌード写真をネット上でばらまかれた事件が起きたが、そうした犯罪に巻き込まれなくても、ハッカーたちの手によって、盗まれる危険性があるということだ。

IDとパスワードの使い回しをすれば
あなたのプライバシーは丸裸かも

 iCloudのようなサービスだけでなく、さまざまなネットショッピングサイトで毎日のようにIDとパスワードを入力する時代。たいていの場合、IDは共通のメールアドレス、パスワードは1つか、せいぜい2つ、3つを使い回すという人は少なくないのではないだろうか。しかし、それではひとたびIDとパスワードが破られれば、金銭的にもプライバシー面でも大損害を受けてしまいかねない。