伝えたい情報を直感的にわかるように、グラフィカルに表現する「インフォグラフィック」。この「相手がぱっとわかるように工夫する」という考え方のクセそのものが、コミュニケーション上手にしてくれるはず。本連載は、情報をよりわかりやすく、という枠を超え、発想そのものを広げるための教科書だと思ってください。どうやってこのアウトプットに辿り着いたか、発想のスタート地点から解説していくことで、「考え方のプロセスと構造」がわかります。今回のお題は、筆者が大好きなレトロ系ジャンルの中から、「福笑い」を取り上げます。

時代時代で多彩な横顔を
見せるレトロ系アイテム

 この連載中、あらゆるものを好きだ好きだと言ってきてる、趣味とっちらかり系の僕ですが、今回もまた別のジャンルから好物ネタをほじくり出してきますが、レトロモノ、です。

 昔、小学館『sabra』創刊時、まだグラビア雑誌になりきってなく、カルチャー路線もあった頃、「いにしえ廣告」という連載をやってました。レトロ系ポスターや看板のビジュアルを使い、いまの商品を、「見立て」で広告するという企画でした。

「福笑い」を「さまざまなキャラのパーツ」<br />12種類で作ってみたインフォグラフィック「福笑い」を「さまざまなキャラのパーツ」<br />12種類で作ってみたインフォグラフィック

 右の2つの画像の解説はここに上げてます。雑誌の軟化に内容が合わず(笑)、7回で終わったのですが、自分としては、作る深みを感じながらの大変やりがいのあるクリエイションを愉しみました。

 もともとレトロ系は、江戸明治大正昭和あたりならどのゾーンもそれぞれの良さがあり、すべてカバーして大好き。といっても、なにしろ興味が多いもので精神的にも物理的にも、レトロモノ現物コレクションまではなかなか追いつかない。もっぱら、本の収集にとどまっていました。しかし「いにしえ廣告」連載時は、どうしてもホンモノの印刷物を手に入れたくなる。そこで、そういうモノを置いてあるお店を訊ね、使えるものを(安価限定!)物色していました。

 そんな時に出合って、何かできるだろうと買ったのが、今回のインフォグラフィックに用いた「福笑い」の用紙(?)でした。たしか1000円もしなかったしはずだし。