今回から2回にわたって、インターネットマーケティングを行う上で必須と言える検索エンジンマーケティング、特にSEOについて解説をしたい。

 前編では、検索連動型広告を含めた検索エンジン上の生活者に接触する意味及びSEOと検索連動広告の特徴比較、後編では実際に実施する際の注意点などをまとめていきたい。

Googleは1回の検索あたり
6セントの収益を上げている

 インターネットで調べ物をする際に、多くの読者が日常的に検索エンジンを利用していると思うが、それでは検索エンジン上で利用者が検索を1回する度に、検索エンジンがどれくらいの収益を上げているかを知っているだろうか? 手元の資料から簡単に計算してみよう。

 Googleの2009年度の第3四半期決算書を参照すると、Google.comの売上は単月では6億ドルほどの計算になる(Google 2009)。Comscore.comの調査によると、2009年9月にGoogle.comへ89億回の検索リクエストがあったというから、ざっと計算しても1回の検索あたり6セントほどの収益をあげていることになる(Comsocre 2009)。

 その源泉になっているのは検索結果上に出ている広告だ。これを検索連動型広告と呼ぶが、他のインターネット広告の手法に比べてダイレクトレスポンスに結びつきやすいことから、広告主からの利用と支持を集めている。

 事実、他のインターネット広告が成長のカーブを緩めている中、いまだに検索関連広告の市場規模は年率で20%の成長を維持している(電通2009)。筆者は長年インターネットマーケティングに携わっているが、ダイレクトレスポンス目的でインターネットマーケティングに取り組んでいる会社で、検索周辺のマーケティングを実施していないという会社はほとんど聞くことが無い。

 インターネットマーケティングを実施するのであれば、必ずと言っていいほど利用されている施策である。

検索エンジン利用者は
能動的でニーズが明確

 本稿はSEOについての解説ではあるが、重複する部分のため簡単に検索連動型広告を例にとって検索エンジン上でのマーケティングについて触れる。検索連動型広告の特徴は様々に挙げることができるが、大きな特徴を選ぶとすれば、「能動的な利用者への接触」を挙げることができるだろう。