65歳以上人口が200万人を超え、東京都に次いで高齢者の数が多い大阪府。需要に応える形で、近年、有料老人ホームは次々と建てられた。実用ライフスタイル誌「ダイヤモンドQ創刊準備1号」(10月2日発売)で作成した有料老人ホームランキングでも、価格やサービス面での充実ぶりが見える。入居者の誕生日に個々の願いをかなえる「安楽サービス」を提供したり、一流料亭の料理人を雇ったりするなど、独特のサービスを展開するホームまである。第2回は、大阪府で特徴のある施設をピックアップする。

 これまで、さまざまなメディアが整備・体制面から見た介護型有料老人ホームをランキングしてきたが、しばしば上位に入るのが「アクティブライフ豊中」と「メルシー緑が丘」だ。今回のダイヤモンドQのランキングでも、両施設は1位と3位となった。介護体制が安定していることの表れと言えるだろう。

  4位に入った「ケアリビング楽寿」は、 地下鉄谷町九丁目駅から徒歩2分にあり、かいわいは神社や寺院が集積する。入居者の大半は地域住民で、 家族や友人が頻繁に訪れる。

「地元で最後まで自分らしく暮らしてもらいたい。そんな思いで施設をつくった」と辻眞理代施設長は話す。

 介護スタッフ1人に入居者1・1 人の体制で、入居者本位の介護を実践する。排せつ介助やオムツ交換は、入居者の生活リズムに合わせている。

有料老人ホーム激戦区の大阪府 <br />「あべのハルカス」に同行OKの第4位家族や友人が訪れやすい立地の「ケアリビング楽寿」

 行事にも入居者の意見を反映する。例えば、「お盆の会」は、墓参りに行けない人などのために始まった。毎年のお盆には祭壇が設けられ、入居者は都合のいい時間にめいめい拝む。

「あべのハルカスに昇りたい」などの、個別の要望に応える「安楽サービス」も好評だ。入居者の誕生日には、好みのスタッフが付いて、4時間の時間制限でかなえたいことを実現できる。楽しく生活できるように工夫している。

 経営主体は医療法人で、グループの辻外科リハビリテーション病院が、24時間体制でバックアップ。定期的に訪問診療し、看とりにも対応する。

 手厚い介護ときめ細かな医療サービスが評価され、開設2年目以降、 入居率は98%前後を維持する。辻施設長はオーナーでもあり、自ら入居契約から看とりまで立ち会い、葬儀も手配する。