男女平等度で先進国中最低ランク
だが、現実は本当にそうだろうか?

 本連載「黒い心理学」では、ビジネスパーソンを蝕む「心のダークサイド」がいかにブラックな職場をつくり上げていくか、心理学の研究をベースに解説している。

 ここで度々紹介しているように、筆者は男性のみならず、女性のビジネスパーソンから話をうかがうことが多い。そのときに必ず尋ねるのが、女性差別についてだ。

 先日ニュースにもなったが、スイスの「世界経済フォーラム」がまとめた男女格差についてのレポートでは、日本の男女平等度は142ヵ国中104位で、G7参加国中最低、先進国全体の中でも最低ランクだった。

 この結果は今に始まったものではなく、日本は以前から「男女平等の低い国」という結果になっている。このランキングは、女性の就労参加率やエグゼクティブへの登用頻度など、いくつかのカテゴリを考慮して計算されている。

 安倍政権も、女性の登用を推進しようとしているが、先の小渕議員、松島議員の問題などもあり、うまくいっているイメージを持たれていないようである。

 このようなニュースから考えると、日本の職場では女性差別が横行しているかのようなイメージを持ちやすい。だが、筆者が実際に現場で働いている女性から話をうかがうと、少なくとも先進的な日本企業では、女性登用に積極的であろうとしている。

 中にはつまらないパワハラ、セクハラもあるが、総じて上級管理職に就いている男性はみな紳士だし、女性部下の話もよく聞く傾向にあるようだ。しかし統計データでは、日本は他国に比べ、やはり女性の管理職の割合は少なく、平等とは言えないとされている。

 このギャップはどこにあるのか。先日、そのヒントとなる話を聞いた。