鳩山政権の支持率が続落し、その一方で自民党の支持率も低迷したままだ。そのため連立政権の枠組や政界再編を見据えて、さまざまな政治家が動き始めた。

 自民党では与謝野馨氏が、文藝春秋で「新党結成へ腹はくくった」という見出しの論文を発表した。公明党は「子ども手当て法案」で、政府・与党と協力に転じた。

 そして「普天間基地移設問題」で、国民新党の提案する「キャンプ・シュワブ陸上移設案」が急浮上し、社民党内に動揺が広がっている。

 今回は、それら各党の動きを検証し、参院選後を考えたい。

与謝野氏、舛添氏に
支持が集まらない理由

 与謝野氏の論文発表で、自民党内には動揺が走ったが、執行部交代や新党結成への具体的な動きは広がっていない。

 与謝野氏主宰の勉強会「正しいことを考え実行する会(正しい議連)」に出席する議員はわずか16人だ。しかも、参加者の大勢は与謝野氏の新党結成に同調していない。

 同じく新党結成を示唆している舛添要一前厚労相が離党しても同調者は7~8人にとどまる見通しだ。ちなみに、鳩山邦夫元総務相では自民党内に人は集まらない(第26回)

 これは、麻生政権時と同様に「小選挙区比例代表制」の効果によるものだ(第28回)。この選挙制度下では、中小政党は生き残りにくく、離党したら次の総選挙で落選するリスクが大きすぎる。

 また、この選挙制度は政党執行部の「公認権」「人事権」を強力にした。「谷垣おろし」に動いて失敗したら、党内で徹底的に干される。だから、執行部に不満があっても、静かに時が来るのを待つことになる。

 特に今回は、衆院議員と今年7月に改選されない約半数の参院議員にとって、次の選挙まで3年間ある。しばらく様子見できる時間もあるのだ。