最近、出張族の間で「ビジネスホテルの予約が全然取れない」と話題になっている。東京や大阪の都心部で、アクセスが良く手頃な値段のホテルを予約しようにも、どこも満室で取れない場合が多いのだ。

国内外からレジャー客急増で<br />“ビジネスホテル難民”が続出ビジネスホテルの市場規模は4500億円程度とみられるが、東京五輪に向けて拡大が予想される
Photo by Rika Yanagisawa

 急な出張の場合はなおさらで、仕方なく繁華街のカプセルホテルや、はたまたインターネットカフェで一晩過ごすことを余儀なくされる例も増えている。

 予約が取りにくい背景には、ビジネスホテルの客層の変化がある。

 近年は都市部でのショッピングや観光、テーマパークを目的としたファミリーやグループにも利用されるようになり、大半のビジネスホテルではそうしたレジャー需要が半数近くを占める。円安やテロの影響から、旅行先が海外よりも国内が人気となっていることも、レジャー客の増加に拍車を掛ける。

 加えて、急増する外国人旅行者の影響も大きい。

 日本政府観光局によると、2月の訪日外国人は単月で過去最高の138万7000人(前年同月比57.6%増)。アジア、特に中華圏では日本旅行がブームとなっていて、2月の旧正月休暇を過ぎても、桜観賞を目的に来日する人が引きも切らない。彼らにとってもまた、ビジネスホテルが定宿になりつつあるのだ。