暗黙の学歴フィルターが露見した
ゆうちょ銀行の炎上

「学歴フィルター」問題から新しい就活の形を考える学生からすれば、「平等な評価」という建前でありながら門前払いを食うのは納得がいかなくて当然だろう

 目下、大学4年生は長きにわたる就職活動期間にある。経団連の申し合わせで大学3年生の3月から会社説明会など企業と学生の接触が解禁され、8月からいわゆる採用の「内定」を出していいというのが一般的なゲームのルールだ。学生には、奇妙に不自由である一方で、多くの場合長々続く就職活動は、本当にご苦労なことだと思う。

 本来的には正しいこのルールを無視する企業もあるが、各社の人事部同士が徹底的な競争を避けたいと考える談合的意図もあって、おおむね建前のスケジュールを踏まえて就職・採用の活動が進行している。

 もっとも、企業・学生双方で実質的な「抜け駆け」があるのが現実であり、「内定を出すことの確約としての内々定…」のようなものは既に出回っている。

 こうした状況下で、たまたま「ゆうちょ銀行」が、就職案内のセミナーの参加希望者に対して、所属大学で差別をしていることが明らかになり、ネット空間で大いに話題になった。

 いわゆる偏差値があまり高くない大学の学生としてセミナーに出席しようと申し込むと「満席」で断られる一方で、所属大学を東京大学として申し込もうとすると簡単に出席の予約が取れるといったことが発覚したのだった。暗黙のうちに使おうとした「学歴フィルター」が露見した。