3月3日、プロミスに対する過払い金返還請求の消滅時効をめぐる最高裁判所の判決で、ある異変が起こった。

 判決の内容は、1月22日の最高裁(東日本信販)と同様だ。つまり、リボルビングなど一連の取引では、取引が終了してから10年経過して初めて時効になるとの判決が下された。だが、一人の裁判官が真っ向から反対意見を述べ、「これほどの長文は異例」と関係者が驚くほどの反論が判決文に掲載されたのだ。

 反対の主な理由は、判決の解釈が限度を超えているというものだ。

 その解釈とはこうだ。まず、返済したおカネには利息制限法金利(15~20%)の超過分(過払い金)が含まれているが、この過払い金は次回の返済に充当する合意がある、という訳のわからない判例がある。この合意があるために借り主は、取引の途中ではなく、取引が終了してから返還請求を行なうという不思議なものだ。

 また、消費者金融側が主張するように、過払い金が発生する返済ごとに時効のカウントが始まるとすれば、客は取引期間中であっても時効の期限が近づくと、その前に返還請求してしまう。これではその時点で新たな借り入れができなくなり、先の合意があるにもかかわらず取引を終了させることに等しいというのが裁判所側の理屈だ。

 これに対し、くだんの裁判官は、契約時に返還請求する時期まで想定しているはずがない。また、返還請求できる権利を保持したまま、新たに借り入れする権利を守る必要があるのかと説く。加えて、数十年前までさかのぼって返還請求できることは、法的安定性を損なうという意見だ。

 水面下では改正貸金業法を見直す議論も進んでいる。その流れが加速する可能性もありそうだ。

(『週刊ダイヤモンド』編集部  藤田章夫)