週刊ダイヤモンド あなたは電子マネーを使っていますか?

 少額決済は小銭をジャラジャラ探すより、電子マネーやおサイフケータイのほうが早くて便利。案の定、電子マネーの普及に併せて、日本の貨幣流通量は減少傾向にあります。野村総合研究所の予測では、電子マネーの2008年度末の発行残高は前年比1.6倍の1兆3800億円、3年後には3兆円を突破する勢いです。

 一方、あなたの財布にポイントカードの類は何枚入っていますか?

 じつは、日本ほどポイントが氾濫している国はありません。ヨーロッパの場合は共通ポイントが多く、主要なものなら4~5種類くらいしかないため、さまざまなカードで財布がパンパンなんてことにはならないようです。米国はマイレージの発祥の地ですが、逆に言うとマイレージしかありません。ウォルマートで買い物をするとユナイテッド航空のマイレージはつきますが、“ウォルマートポイント”のようなものはありません。割引のツールとしてはクーポンが主流です。

 日本の場合、ありとあらゆる企業やお店がポイントを発行していますが、面白いことに企業間提携が進んでいて、多くのポイントが別のポイントの交換可能です。「ポイント探検倶楽部」というサイトに行けば、手持ちのポイントを何に交換できるか、一発で検索できます。そして最近は、電子マネーのチャージやネット銀行への振り込みに交換する人が多いそうです。要するに、ポイントは手軽に「現金」に替えられるのです。

 こうして電子マネーとポイントが結びついたことで、“目に見えないおカネ”の流れができ上がりました。ネットでアンケートに答えて付与されたポイントが、巡り巡って電子マネーにチャージされ、コンビニのレジで「シャリーン」という音と共に支払いに使われる──。われわれは実際に紙幣やコインのかたちで目にしないまま、おカネを稼ぎ、貯め、取引し、使用しているわけです。

 日銀は毎月、「マネーストック(マネーサプライ)」を調査・発表しています。マネーストックとは通貨供給量ともいい、世の中に出回っているおカネの量のことで、現金と預金の合計です。ところが、この中に電子マネーやポイントは含まれていません。金融当局にとっても「見えないおカネ」になっています。

 当然ながら金融庁は、いまや通貨並みの資産価値を持ち始めた、いわば「疑似マネー」に対して、なんらかの規制を目論んでいるところです。

 今週の特集では、そんな電子マネーやポイントカードといった「疑似マネー」が日本経済に与えているインパクトと、今後の行方を追いました。

 主要80社のポイントについては、本邦初となる「格付け」も行ないました。いまやポイントは個人の金融資産ですから、発行企業の信用力を客観的に評価するということは重要な意味を持ちます。

 そのほか、クレジットカードの選び方や、オンラインゲームの仮想通貨取引(リアル・マネー・トレード)、全国に280種もあるという地域通貨の現状など、いつもの通り話題は盛り沢山です!

(『週刊ダイヤモンド』副編集長 深澤献)