「働かされている」意識では何者にもなれないあなたは「これじゃ、モチベーションが上がらない」などと言ったことはないだろうか?

 先日ある若手女性経営者と話をしていて、このままじゃ日本はダメだ!という話題になった。働き手に根性がない、というのが彼女の弁。まだ若くて仕事経験もなく、ちゃんとした仕事もできないのに、短時間労働を希望して、仕事への挑戦もせず、趣味の時間を楽しむ等というのでは、何も覚えない。成長がない。「そんなんじゃ、何者にもなれない!」と彼女が言った。今、ワークライフバランスや社員への手厚い制度が優先される流れの中、私が言いにくいことをスパッと言ってくれた彼女と、その後大いに盛り上がった。

 ダイバーシティな組織や社会とは、わがままな社員のための組織ではないことは、既に書いた。組織内で多様な視点を集めるためには、一人ひとりの社員らが、それぞれの色に光る存在にならなければならない。そのためにはどうしたらいいのか。

 そのひとつが、自らの考えをI statementで発言できるようにすることだ。様々なテーマにおいて、独自の考えをまとめ、伝えることができること。つまり、いろいろなニュースや話題について「私はどう考えるのか」と考え、まとめ、それを言葉にする技術を磨くことだ。自らの意見もなく、「皆様のおっしゃる通り」と言って働くなら、不平不満をいう資格さえない。また、不平不満は、感じても良いが、それを口にするのでは足りない。組織に不足する部分をみつけることは素晴らしい。だからこそ、それをどのように改革したいのかをまとめ、提案発言とすることに価値がある。「私はどう考えるのか」「私ならどうしたいのか」を毎日の仕事の中で、考える。いつも、いつも考え続けるからこそ、新しいアイディアがひらめき、仕事が面白くなる。

モチベーションは
他人に上げてもらうものではない

「これじゃ、モチベーションが上がらない」などという表現も、私は好きではない。モチベーションは、自分で上げるもので、他人に上げてもらうものではない。だから、どんな環境でも、短時間でやる気が出せる自分になる訓練が必要だろう。私はそれを「セルフモチベーター」と呼ぶが、自らをモチベーとさせる技術を身につけることで、自分の持つ力が100%発揮できる。個が光るというのは、そういうことである。