巨額マネーが口コミ力で動く――

 「リピーター不在」「クローズドの世界」。そんなブライダル業界の常識が大きく変化している。3兆円市場と言われる結婚市場だが、その牽引役は今や「花嫁ブログ」などの書き手、つまりプレ花嫁や元花嫁たちだ。

 「花嫁ブログ」。結婚式と縁のない読者には、耳慣れない言葉かもしれない。

 結婚を控えた女性や、結婚式を終えた女性たちが作るブログのことで、結婚準備や式当日の模様が事細かく綴られ、広告ではわからない生の情報を知ることができる。ブログ以外でも、プレ花嫁たちのSNS(ソーシャルネットワークサービス)や、口コミ掲示板も人気だ。

「花嫁ブロガー」がブライダル業界を牛耳る!今どき結婚式がエンタメ化する理由
テイクアンドギヴ・ニーズはGREEN TOKYO ガンダムプロジェクトとコラボレートし、東京・お台場潮風公園内に展示中の実物大ガンダム前で挙式を開催する(~8月31日)。すでに数百組の応募があったという。写真提供:「創通・サンライズ」

 アメーバブログなどを利用した個人のブログも多いが、ゼクシィが運営しているSNSの「花嫁カフェ」や、テイクアンドギヴ・ニーズ子会社の総合生活が運営する「みんなの結婚準備ブログ Stylful blog」なども有名。このほか「ウェディングパーク」(ウェディングパーク)、「ウェディングウォーカー」(角川マーケティング)もよく知られている。

花嫁ブロガーが業界を動かす!

 彼女たちの口コミ情報はじつにリアルだ。

 「チャペルは素敵だったけど、通路が狭すぎ!ドレスが引っ掛かりそうになりました」

 「トイレが1ヵ所しかなくて、ゲストのみなさんにご迷惑をかけてしまいました」

 「料理は費用の割にいまいち。おまけにエアコンがきつかった。ウエイターさんにひざかけをお願いしたら怪訝な顔をされました」

などといった具合である。

 ネットの口コミで集客が左右されるのはどの業界も同じだが、ブライダル業界の場合は、単に評判が伝わるだけではない。

 「○○ホテルでは、新郎新婦入場でシャボン玉シャワーをやってくれる。ドレスについてもシミにならない!」