プロジェクト ビューティー
2008年11月27日発売予定。DSスキャン同梱版とソフト単体版の2種類が用意されている。(C) SEGA (C)SHISEIDO Co.,LTD.

 セガは、資生堂の全面協力を得て、ニンテンドーDSでメーキャップのアドバイスをしてくれるソフトを11月に発売する。『プロジェクト ビューティー』というソフトで、資生堂ビューティーソリューション開発センターのノウハウを応用して開発。資生堂が提唱する「ゴールデンバランス理論」に基づいたメイク術をシミュレートするものだ。

 専用の顔認識カートリッジ「DSスキャン」を利用するのが特徴で、これによりユーザー個々の顔立ちをトレース。「フレッシュ」「キュート」「クール」「やさしい」といったパターンに分類して、それぞれに合ったメーキャップ術を解説、指導してくれるというもの。資生堂の長年のノウハウが活用されているというから、女性にとっては心強い味方となってくれそうだ。

 「ゴールデンバランス理論」とは、“顔のバランスを整えること”を主眼に置いたメイク方法。顔全体のほか、眉、目、唇、頬の4つのパーツのバランスに着目し、それらを調整することによってベストのメーキャップを導き出す。顔全体のバランスを「顔の横幅:眉山からあご先までの長さ =1:1」とするのが基本だ。

 そのうえで、例えば眉の場合、顔の横幅より眉山からあごまでが長い「細長顔」であれば、眉山を低くして、眉の下側角度も低く取る。これだけでも、きつい印象がぐっと自然でやさしい雰囲気になるというから不思議だ。そのほか、「丸短顔」「集中顔」「離れ顔」など、当然のことながら顔の造作の比率は、個人によって千差万別。その違いを「DSスキャン」によって、瞬時に計測してくれるのが、同ソフトの売りといえるだろう。

 「DSスキャン」を利用したソフトといえば、昨年、『大人のDS 顔トレーニング』という表情筋を鍛えるソフトが好評を博した。ただし、こちらの場合、目鼻立ちを認識できれば事足りたので、「DSスキャン」の映像の粗さに頓着する必要はなかった。『プロジェクト ビューティー』では、肌やメイクなどの細かな色合いがどの程度まで精確に反映されるのか気になるところではある。

 だが、当の女性に訊けば、「販売店でメイクをしてもらっても、家に帰ると手順を忘れてしまう」「プロのテクニックを学べるのはありがたい」「そもそも対面販売が苦手」といった声がある。自宅で気軽に、しかも本格的なメーキャップのトレーニングができるというところが魅力であり、優先されるべき点のようだ。

 男性である筆者には、「DS」と「メイク」という組み合わせは意外に思える。しかし女性にとっては、積年の悩みを解消してくれるアイテムとして歓迎されるのではないだろうか。

(中島 駆)