ここ1ヵ月、オンライン書店の「ロジカルシンキング」ジャンルで売れ行き第1位を獲得し続けている『あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか ― 論理思考のシンプルな本質』。
本書のメッセージをあえてひと言で言えば、「論理思考こそが発想力の源泉であり、その力を高めたければ『言葉の力』を磨くほかない」ということである。

では、言葉の力を高めるために、僕たちにはどんなことができるのだろうか?
全3回にわたって、僕個人がおすすめする方法を紹介していくことにしたい。

アイデア力を磨きたければ、<br />「天声人語」より「刑法」を書き写そう

力を高めたいなら「意識」を変える

何らかの成果を生み出す「」という概念をMECEに分解するとしたら、それは「能力」×「意識」に分解できる。
たとえば、思考力がある人というのは、「思考する能力」「思考しようという意欲」のどちらか(あるいはどちらも)を持ち合わせた人である。

これは身体のフィジカルな力を高めるという話に近いかもしれない。生まれつき壮健な身体を持つ人、たまたまスポーツをやっていて身体能力が高い人はいる。
しかし、そうではない人が身体の力を高めようと思ったら、その人にできるのは「意識」を変えることだけだ。つまり、より身体能力が上がるようなトレーニングや生活習慣を取り入れるよう、心がけるしかない。

言葉の力も同じだ。もともと言語能力に優れている人もいるし、大人になる過程でたくさんの言葉に触れて自然と能力が磨かれている人もいるだろう。
しかし、言葉の力を決定づけるのはそれだけではない。