デルの8兆円買収で世界最大のIT企業が誕生統合会社のCEOはマイケル・デル・現デルCEO(右)となり、EMCのジョー・トゥッチCEO(左)は退任の見込みだ

 パソコン(PC)・サーバ最大手の米デルは12日、エンタープライズストレージ(外部記憶装置)の米EMCコーポレーションを、投資ファンドと共同で670億ドル(約8兆0132億円)で買収することを発表した。2017年にも誕生する統合会社の売上高は約800億ドル(約9兆5672億円)で、IT業界で世界最大の企業となる。

 PCの水平分業生産で世界を制した「デルモデル」がよく知られるデルだが、現在の売上高の70%は法人向けのコンピュータ製品から成る。ストレージで約20%の世界トップシェアを持つEMCと、EMCがこれまで買収した関連ソフトウエア企業群を傘下に収めることで、法人向けコンピュータ市場で世界1位に躍り出る。

 統合会社はストレージで世界トップの約3割のシェアと、デルの18%(世界2位、IDC調べ)のサーバシェア、14%(世界3位、同)のPCシェアを獲得する。さらにEMC傘下には、クラウドサービス企業の大多数が採用し、独占的なシェアを持つコンピュータ仮想化ソフト企業・米ヴイエムウェアもある。