「情報収集」という戦場には、しかるべき戦い方がある。単なるお勉強の延長線上でビジネスの情報を集めようとしている限り、そこでは結局、学歴エリートを上回ることはできない。効率的な情報収集をするために必要な考え方について「論理思考本の知る人ぞ知る名著」として各方面から絶賛される一冊『あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか──論理思考のシンプルな本質』から抜粋してお伝えする。(初出:2015年12月22日)

無能な人ほど「まず調べよう」とする【書籍オンライン編集部セレクション】Photo: Adobe Stock

情報の集め方にも「ルール」がある

 以前の記事で、頭の中の情報量を増やす局面でも、必ず何らかの先入観が入るので「情報流入」のような習慣を取り入れることが有効だという話をしました。つまり、積極的に情報を集めるのではなく、「勝手に情報が入ってくる環境」をつくることのほうが大事だということです。

※参考:できる人ほど情報収集しない──「知識の正しい増やし方」は漱石に学べ!

 一方、実際のビジネスシーンでは、より短期的に「答え」を出さねばならないことのほうが多いでしょう。情報流入のような気長な方法を取っていてはまず間に合わないので、どうしてもいわゆる「情報収集」のほうも必要になります。

 ただ、日本のビジネスパーソンは、この情報収集について、あまりにも致命的な誤解をしています。そこで今回は、情報収集に関するコツについてお伝えしていくことにしましょう。

いきなり情報を集めると、必ず「モレ」が出る

 たとえば、デパートのプロモーション案件がコンペになり、広告代理店E社もそこに名乗りを上げることになったとします。

 E社の部長は、部下にこう言います。

「このコンペには競合のF社も手をあげている。絶対に負けるわけにはいかないぞ。プレゼン当日まであと2週間しかない。さあ、必要な情報を洗いざらい集めてこい!