18歳人口が減り始め、大学入学者が減少する「2018年問題」が目前だ。そんな中、時代の要請や社会のニーズに呼応する人材の育成の実現に向けて、ひときわ積極的に取り組む大学・大学院の姿がある。

 昨年までは、「資格が取得できる大学」「就職に有利な大学」の人気が高かった。だが景気の回復で、社会的評価の高い・イメージの良い大学の人気が復活した。文系人気もまたしかり。国立大学でも国際系学部の新設が相次ぎ、その内容に注目が集まっている。

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 全国の進学校の進路指導教諭750人のアンケート調査(大学通信調べ)によると、今年度、生徒に人気のある大学の項目の順位が、昨年から大きく変化したという(表1参照)。

「“自分のしたい勉強ができる大学”が1位であることには変わりませんが、昨年は2位だった“資格が取得できる大学”が5位に後退、代わりに“社会的評価・イメージが良い大学”“知名度が高い大学”が2位と3位に上がりました。何が何でも資格取得をというのではなくなったということで、景気の回復傾向による就職率の高さが背景にあると思います。このあたりは、世の中の動きと密接に連動していますね」

大学通信 情報調査・編集部
ゼネラルマネージャー
安田賢治常務取締役

1956年、兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、大学通信に入社。中学受験から大学受験まで幅広くカバー、私立学校のコンサルティングも行う。著書に『笑うに笑えない大学の惨状』(祥伝社新書)他。

 と、大学通信の安田賢治・常務取締役は説明する。

 資格取得という点で人気が下がったものとして、薬学部の志願者減が目立つという。もともと6年制になった時期に志願者が激減、その後の不景気で盛り返したものの、6年制の卒業生が2年連続で出て採用も落ち着き、国家試験の難易度が上がったこともあり、人気低下につながっているという。

「もちろん、資格系でも看護系は人気があり、理系でも理工学部などは景気にあまり左右されず、安定した人気を保っています。むしろ、不景気で就職が厳しいからといって理系を選んでいた生徒たちが、景気回復で文系に戻ってきたという現象が見られます」と安田常務。就職率が上がって、文系では経済学部・経営学部・商学部、また教育学部などの人気回復が目立つ。もともと就職に強い法学部にも、人気が戻ってきたという。