内部を固めシナジーを追求し育成事業に投資や人材を集中<br />三菱ケミカルホールディングス社長 小林喜光Photo by Kazutoshi Sumitomo

──今期の経営環境をどう見ているか。

 昨年度は、米国景気の落ち込みに、中国やインドなど新興国の経済がつられるか否か、意見が分かれた。私は当初から(新興国は米国の不況につられない)デカップリングを主張してきたが、そのとおりになり、明らかに経済は二極化が進んだ。

 これから元気よく立ち上がろうとする新興国の経済と、欧米や日本などを中心とした先進国の疲れた経済だ。日本も、前者の元気な経済に対応してグローバルな活動を広げていければ、先行きをそう悲観することもない。

──経済の二極化に、三菱ケミカルホールディングスはどう対応するのか。

 石油化学分野で(ポリエステル繊維などに使う)テレフタル酸や(水槽などに使う樹脂の一種である)MMAなど成熟したテクノロジーは中国やインド、中近東で戦っていく。コスト競争力がなくなったエチレン系など、終息すべき事業の処理は8割方完了した。水島地区で進めている旭化成とのエチレンセンター統合も、今秋頃までには結論が出せるだろう。