まもなく2015年も終わり。早い。早すぎる。そろそろ散らかったデスクと決別しなければ。でもそんな時間なんかない……。
そんな悩みを抱えた人々に愛され続け、いわゆる「片づけ本」ブーム以前から今まで累計12万人に読まれた『だから片づかない。なのに時間がない。』本書の中から、リバウンドしない整理術のエッセンスを紹介する本連載。
第1回目は、「片づける理由」の大切さについて。

典型的な「だらしないヤツ」だった

多忙極まるスケジュールで経営コンサルタントをしていた私は、
顧客や同僚から時間どおりにきちんと仕事をするものと期待されていた。
たいていの場合、私はやってのけた。
ただし、ギリギリやっとのことで。

何度も夜遅くまで残業し、悪戦苦闘しながら準備を整える。
なくした資料を大あわてで捜しまわる。
出張時は空港に駆け込み、フライト直前に搭乗ゲートにすべり込む。
会議には遅れ、たびたび物忘れをする。
請求書は締め切り日をはるかに過ぎて提出する。
いつも修羅場だった。
MBAホルダーなのに、カードの引き落とし金額すら把握できていない。

もちろん自宅も例外ではない。
客を家に呼ぶときはあわてて大掃除をした。
散らかった物を押し入れに投げ込み、
余分な物はベッドの下や浴槽に隠して、
シャワーカーテンのうしろをのぞかれないよう祈った。
押し入れに入れた物は結局そのまま、
大掃除のたびに下へ下へと追いやられた。
服をハンガーにかけることもめったにない。
流しは汚れた食器であふれ、電話のメモもちょくちょくなくした。
静かできれいなところに住みたい、そうひたすら願っていた。

でも実際は、オフィスも自宅も、始終ごたごたの状態だったのだ。