あなたはフェイスブックのユーザー
アイコンカラーを変えましたか?

 11月13日、フランスの首都パリで同時多発テロ事件が発生、多数の死傷者が出る大惨事となり、世界中に衝撃が走りました。

 この事件を受け、犠牲者を追悼する意思表示に、フェイスブックのユーザーアイコンがフランス国旗(トリコロール)の色に変えられるようになったことに気付いた方も多いでしょう。

 フェイスブックのユーザーアイコンは、今年6月、米連邦最高裁が同性婚を憲法上の権利と認める判決を出し、全米で同性婚が認められたことを機に、LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)の尊厳を象徴するレインボーカラーに変えられるようになったことでも話題になりました。

 私はちょうどこの時、フランスで開かれた「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル」に参加していました。かの地でも判決のニュースが大きく報じられ、受賞作品の中にもLGBTをテーマとして取り上げた作品が多かったため、世界中に一つの価値観が瞬時に広がっていく様を目の当たりにして、強烈なインパクトを受けたことを覚えています。

 それから間もなく、私の周りの人々が次々と自分のアイコンをレインボーカラーに変え始めました。アイコンをレインボーカラーにすることによって、判決がいかに多くの人々に支持されているかを世界中に示すことができるからでしょうか。もしくは、LGBTへの偏見や差別が少しでも無くなればよいという思いを発信するためでしょうか。

 あるいは、「自身もLGBTである」「私はLGBTに偏見を持っていないから、安心してコンタクトしてください」という意思表示でもあるのでしょうか。少しうがった言い方をすれば、「自分は偏見など持たないフェアで進歩的な人間である」という一種の自己アピールを、ソーシャルメディアで拡散する意図がある人もいたかもしれません。

 それはさておき、かくいう私はどうかと言えば、同性婚承認の時も今回のパリの事件でも、自身のアイコンカラーを変更することはありませんでした。