国立競技場が高いって? ITだって高いぞ!

 2015年は国立競技場やエンブレムなど、オリンピック関係のドタバタが大きなニュースになりました。

 その中で、わたしが一番気になったのは、国立競技場の建築費が2500億もかかる!と騒ぎになり、白紙撤回されたことでした。

 2500億は明らかに高いですよね。6万人以上入る埼玉スタジアムが380億ですから。

 ところで、現在構築中のみずほ銀行の新しい基幹システムも、ちょうど2500億円の予算でスタートしました。しかも「予定の2500億円をオーバーしそうだ」という報道が後追いでありました。

 額が大きすぎてピンときませんが、むちゃくちゃ高い!ということだけはわかります。

 そもそも、みずほ銀行などのメガバンクが誕生した際、「別々にシステム構築費をかけるよりは、合併して1システム分で済ませたい」が合併理由の筆頭に挙げられていたくらいです。

 メガバンクの基幹系は少し特別ですが、大企業であれば、一部門が使うシステムに5億、10億かかることは珍しくありません。

 今回は、「誰のせいで高くなっているのか?」という素朴な疑問について考えてみます。

誰も自分のせいとは思っていない?

 ITの値段が高いことについて、関係者はどう思っているでしょうか?

 まず、ITを作っている当事者のエンジニア。
 ・もともと複雑なものを作っているのだから仕方がない。適性なコスト
 ・業務担当者が「あの機能も欲しい」とワガママ言うから高くなる
 ・これ以上費用を削ると、バグだらけですぐに止まったり、使いにくくなる
 という感じです。

 一方の業務担当者は、
 ・いつも「金がかかるから我慢しろ」と言われて耐え忍んでいる
 ・少し直してくれと言うと100万かかるとか言われる
 と不満を抱えています。

 もちろん経営幹部は
 ・高い! なんとかならんのか?
 ・高くてもそれだけの価値があると示してくれるなら出すよ、俺だって
 という声が多いでしょうか。

 一つ言えるのは、IT高いのは、誰も自分のせいだとは思っていなさそうなことです。しかし、本当にそうなのでしょうか?