皆さんは、昨年12月、「寄付月間」というキャンペーンが展開されたことをご存じだろうか。これは「多くの人が寄付に関心をよせ、行動をするきっかけとなること」をめざし、12月の1ヵ月間を「寄付月間~Giving December~」と設定。NPO/大学/企業/行政/国際機関といった寄付にかかわる主な関係者が幅広く集い、日本の寄付文化を推進しようという新たな試みだ。

 具体的には、米マイクロソフトの創業者であり社会貢献活動家としても知られるビル・ゲイツ氏を招聘した大規模なシンポジウムをはじめ、様々なNPOや企業が寄付に関するキャンペーンやイベントを開催。また、朝日新聞デジタルも特集記事を掲載するなど、日本の寄付文化向上のためのアクションが多数行われた。

とある募金活動が、賛否両論で話題に

 ところが、それとほぼ同時期に、とある募金活に対して激しい批判活動も巻き起こっていた。批判の対象となったのは「おっぱい募金」。《募金、社会貢献にかこつけて、女性の体で人とお金を集める「おっぱい募金」は2015年で終わりにしてください!》と題された反対署名活動が起こったのである。

「エロで社会貢献」はNGか?「キレイごと」と「現実」の境界線賛否両論を呼んでいる「おっぱい募金」の公式サイト

 ちなみに「おっぱい募金」とは、「BSスカパー!」で12月5日、6日に放送された番組『24時間テレビ エロは地球を救う!』の一環で開催された、エイズ撲滅を掲げるチャリティイベントのこと。7名のAV女優が「乳福神」として登場。参加者は会場で寄付をすれば、AV女優の生乳を揉めるというものだ。高校生を除く18歳以上の男女が参加可能。今回の来場者は7175人、募金金額は600万円以上になったという。

 この「おっぱい募金」を2015年で終わりにしろと主張し、12月10日から署名サイト「change.org」で反対署名活動を開始したのが「No More "Boob Aid" / おっぱい募金を終わりにしてほしい有志一同」という団体(?)だ。この署名活動がYAHOO!ニュースに取り上げられたり、年明けには雑誌『AERA』で紹介されたりしたこともあってか、1月10日の時点で8594人の署名が集まっている。

 しかし、多くの賛同者を集める一方で、この反対署名活動に対しては疑問の声も上がっている。「芸能人やアーティスト目当てに、ファンがお金出したりグッズ買ったりするのとどう違うの?」とか、「善意からの募金は良い募金で、偽善や売名行為の募金は悪い募金。みたいな考え方は嫌だ」といったように、ネットを中心に「反対への反対」の声も多くある。つまり、『おっぱい募金』は賛否両論というわけだ。