4月にいよいよ家庭向け電力市場が自由化される。関西圏で光ファイバーネットワークによるインターネット接続サービスや電話サービスである「eo光」を提供するケイ・オプティコムは、「eo光」利用客向けの電気料金メニューを発表。同社は関西電力の完全子会社だが、本格的に家庭向け電力市場に参入する。藤野隆雄社長に戦略と新たに発表した電気料金メニューの狙いを聞いた。(聞き手/週刊ダイヤモンド編集部 片田江康男)

――「eo電気」を発表しました。ソフトバンクグループやKDDIなどの通信会社やガス会社などが相次いで電気料金メニューを発表しているが、「eo電気」の特徴をお教えください。

「eo電気」の料金設定は分かりやすさで勝負ふじの・たかお
関西電力常務取締役経営改革・IT本部長を経て、2009年6月よりケイ・オプティコム社長。Photo by Yasuo Katatae

 現在、各社からさまざまな料金メニューが出ており、これからもたくさん発表されるでしょう。そうしたなかで、私たちはお客様にとって、できるだけ分かりやすい内容にしなければならないと考えました。その結果、「eo電気」は基本料金(1296円/月、一契約ごと)と電力量料金(25.92円/kWh)の2つの単価のみという形にしました。

 基本的に、私たちのサービスである「eo光」にご契約いただいているお客様向けの料金メニューになります。もし、「eo光」にご契約いただいていないお客様は、ぜひこれを機会にインターネット接続を「eo光」に乗り換えていただき、それと一緒に電気もこれまでの関西電力から「eo電気」に変えていただきたいと思います。

 分かりやすさを追求するということで、契約事務手数料と解約清算金を「eo電気スタート割キャンペーン」の一環で無料にしました。お客様は契約した後でも「本当にベストの選択をしたのか」と不安になるものです。私たちとご契約いただいても、すぐにもとに戻れるという安心感を持っていただくようにしました。

――関西電力のこれまでの電気の契約(従量電灯A)と比較すると、どのような家庭にメリットが出るのでしょうか。

 私たちの「eo光」をご利用のお客様は、9割が一戸建てにお住まいで、平均よりも電気使用量が多い方々です。関西電力の従来の「従量電灯A」と比較すると、月の電気使用量が440kWhを超えると、料金のメリットが出てきます。500kWhですと約3%、600kWhなら約6.6%、700kWhなら約9%も安くなります。