竹中平蔵教授が「『親の教科書』といえる稀有な良書」と評し、『「学力」の経済学』著者、中室牧子氏が「どうやって子どもをやる気にさせるのか、その明快な答えがここにある」と絶賛!
“グローバルエリート”ムーギー・キム氏と、子育て連載でバズ記事連発のミセス・パンプキン氏が膨大な「家庭教育調査」から著した画期的な一冊『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』から、子どもにとって「本当にためになる」育て方の秘密を公開する。今回は、本書に掲載されている、子どもに「自分から勉強させる方法」の一部を紹介する。

勉強の「メリット」を教える
──子どもは社会に出た後の「勉強のありがたさ」を知らない

【家庭教育アンケート】

●学歴についての「現実」を教える
 勉強を強要しても反発されるだけなので、「なぜ勉強して大学へ行ったほうがいいのか」を教えてあげることが重要だと思います。結局自分で必要性を感じなければ、長期的な受験勉強の困難は耐えられないのではないでしょうか。どんなに管理しても、親の目を盗んでサボることはいくらでもできます。社会の厳しい現実を話してもいいでしょうし、逆に高学歴のメリットを強調してもいいかもしれません。(慶應義塾大学経済学部Nさん)
●勉強がどう人生に影響するかを教えてくれた
 幼少期より母から、勉強がいかに私の将来の給与を決定するか、勉強で一番になることがいかに面白いことで、自分の人生を充実させることになるかを教えてもらった。そして、いい人生を送るには勉強が必要不可欠だと感じるようになった。(東京大学大学院学際情報学府Mさん)
●子どもに意思がないのに親が騒いでもしょうがない
 子どもに意思がないのに、親が騒ぎ立てても何も生まれません。私の親は私が勉強したくなるように、勉強をするといろいろな職業に就けるという話をしてくれると同時に、勉強のための環境を整えるなど、モチベーションをコントロールしてくれました。(東京大学教養学部Iさん)
●親の後悔、失敗を繰り返したくないという思いが勉強の励みに
 私が親に感謝していることは、正直に自分たちの失敗や、もっとこうしておけばよかった、ということを日常会話で話してくれたことです。かっこつけようと自分たちの成功話をひたすら話し、失敗談を控える親も世間にはたくさんいると思います。しかし私の親の場合は、高校生のときにもっと勉強して英語が話せるようになっていたら今より楽しかっただろう、旅行に行ったときにも楽しさが倍増しただろう、などと後悔していることを話してくれます。
 実際に私はこれらの話から英語を話せるようになりたい、社会の仕組みをよく知りたい、と思うようになりました。私は親と同じ後悔をしたくない、私がそれを乗り越えて親にその姿を見せてあげたい! という思いを持って今勉強しています。
 私にとってこのような普段の家族とのコミュニケーションが、学びのモチベーションを上げてくれています。そして今、大人になった自分をイメージしながら、理想の自分になるために学びを重ねるのが楽しいと感じることができています。(番外編:某高校1年Iさん)

ミセス・パンプキンからの講評:
勉強する納得感を高めよ
──「勉強の意義」を知らなければ頑張れない

 無理やり勉強を押しつけても子どもは反発するだけですが、勉強する意義を教えるのも骨が折れるものです。それでも勉強をする必要性とメリットを幼な心に自分で見出させることが、その後の自発的学習を大いに助けます。

 子どもが自主的に「勉強の意義」に気づくことは難しいでしょう。わが家でも、勉強の結果はいつも自分に返ってくると、口をすっぱくして教えていましたが、それでも放っておいたら子どもたちはどんなときでも遊ぶほうを選択していました。
 なぜ勉強しなくてはいけないのか、自主的に勉強するようになるまで説明していたら、それだけで受験期間が終わってしまっていただろうと思います。

 この件に関しては、私には笑うに笑えない失敗談があります。
 長男が小学生のころ、「勉強しなさい!」「嫌だ、したくない!」というやりとりは、毎日の恒例行事でした。

 真面目にコツコツと勉強するタイプでない息子にとって、ますます面白い遊びがたくさん増える中学生以降に本人が勉強に目覚めるとは考えがたく、私には中学受験が、彼の一生を決定づける分かれ目に思えてなりませんでした。
 いくら能力があっても学歴が劣るために辛酸をなめている人を、大人ならごまんと見ています。