>>(上)より続く

 亮さんは当時のことをそんなふうに回顧してくれましたが、亮さんは十分な証拠を揃えることができたので、ようやく機は熟したようです。

 もちろん、妻は完全犯罪(夫に知られないように不倫する)が成功したと勘違いしているでしょうから、もし亮さんに「痛いところ」を突かれたら……きっと逆ギレするでしょうし、被害者(亮さん)が加害者(妻)から馬事雑言を浴びせられるという理不尽な展開が予想されます。

「それでも最後までやり切ろうと決めたんです!」

 亮さんはこのように覚悟を決めることができたので、「ちょっと話がある」と妻を呼び出し、直談判に臨んだのです。

「これはどういうことなんだ!」

 亮さんは今まで用意してきたてインスタグラムの写真や店のチェックインの履歴、そして男のアイコン写真などを妻の目の前で広げた上で問いただしました。

 最初のうち、妻は往生際が悪く「彼とは付き合っていないわ」とダダをこねたり、「2人きりで遊んだわけではないのよ」としらばくれたり、挙げ句の果てには「私のことが信じられないなら、もう知らないわ」と逆上したりして、なかなか男との関係を認めようとしなかったそうです。

 しかし、最後に亮さんが「はっきりするまで自分で調べるし、実家の両親に相談するから」と念押しをしたところ、妻はやっと「逃げ切れない」と観念したようで、ようやく首を横振りから縦振りに変えたのです。

交通ICカードの履歴で発覚
初対面の男性と鶯谷に行っていた妻

 諸悪の根源はソーシャルゲーム(ソシャゲ)でした。

 ソシャゲとはSNS上で遊ぶことができるゲームのことですが、妻は家事や育児の間にゲームのアプリをダウンロードし、ちょっとした気晴らし程度の感覚で遊んでいたそう。ソシャゲの特徴は1人で単にゲームをプレイするだけでなく、他の利用者とゲームの感想をやりとりしたり、攻略法を一緒に考えたり、そしてお金を払ってアイテムを購入してプレゼントしたり……ゲームだけでなく、人とのコミュニケーションを楽しむことができるのですが、妻もご多分に漏れず。

 最初のうち、妻はわずかな空き時間にプレイするだけなので、いつまでたっても下手なままでしたが、そんななかゲームの上級者が攻略法を丁寧に教えてくれ、会話の中身はゲームだけにとどまらなくなりました。