三越伊勢丹ホールディングスが積極的に“時短”に取り組み、働き方改革を進めている。大西洋社長に狙いを聞いた。

三越伊勢丹が売上減でも営業時間を短縮する理由<br />Photo by Kazutoshi Sumitomo

──時短を積極的に進めています。狙いは何でしょうか。

 百貨店の評価は、顧客との接点で決まります。売り場で顧客にどんな提案をできるかがとても重要で、そのためには販売員に最高の状態で店頭に立ってもらわないといけません。

 24時間営業の店舗は、利便性は高いかもしれませんが、百貨店の役割はそこにはないおもてなしや接客。最高のおもてなしをするためには何をすればいいのかという考え方がベースになっています。

──4月から三越日本橋本店など3店舗の営業時間を30分短縮し、9時間にしました。

 9時間半以上の営業では、早番と遅番というシフト制を敷く必要があります。すると、開店直後と閉店前は、人員が手薄になってしまう。そうしたシフト制をなくす環境にしたかったのです。