今回は、目標ラインよりも打球が左方向に飛び出す、「プル」系のミスを修正しましょう。このミスは、スウィングの持ち軌道がアウトサイド・インのプレーヤーに出る症状です。インパクト時にフェースが閉じていると、左に飛び出してさらに左に曲がっていく「プルフック」、フェースが開いていると、左へ飛び出してから右に曲がる「プルスライス」になります。

 トップでスウィング軸が目標方向に傾いたり、ダウンスウィング以降、頭が左に流れたりすると、アウトサイド・イン軌道の度合いが強くなり、このプルのミスが出ます。また、切り返しで、下半身よりも肩や腕などの上体の動きが先行する、いわゆる「手打ち」スウィングのプレーヤーもこのタイプに分類されます。

【第62回】アマチュアゴルファーのお悩み解決セミナー<br />Lesson62「下半身主導のスウィングでプル系のミスを直す」体(特に下半身)がうまく使えない人にお勧めのドリル。手打ちスウィングの修正だけでなく、正しい体重移動もマスターできる

 そこで、下半身が先行しない、腰がうまく回らないという人は、「前ステップドリル」というメニューを日頃の練習に取り入れてください。方法は左上の写真のように、(1)ショートアイアンを持ち、通常のアドレスを取る、(2)テークバックとともに左足を右に寄せて、一度スタンスを狭くする、(3)トップに行く直前に左足を外(目標方向)に大きく踏み込む、(4)体重を左足に乗せながら、左足の上で体をしっかりと回す。

 ポイントは、(3)の左足を踏み込むタイミングです。トップをつくってから左足を踏み込むのでは遅過ぎるので注意が必要です。それでは下半身が動かずに、上体の力が勝ってしまいます。正解はバックスウィングの最後、左肩が回り切る直前。左肩が回っている途中で左足を踏み込んでいくのがコツです。

【第62回】アマチュアゴルファーのお悩み解決セミナー<br />Lesson62「下半身主導のスウィングでプル系のミスを直す」左足を踏み込むことで、上体と下半身の捻転差が最大になる(右)。軸が目標方向に傾くと、極端なアウトサイド・イン軌道になるので注意しよう(左)

 左肩と左足が逆方向の動きをすることによって、上体と下半身の捻転差(ねじれ)が最大になり、下半身主導の正しいスウィングをつくることができます。そうすれば、アウトサイド・イン軌道が弱くなり、打ち出しをストレートに近づけることができます。しかも、そのねじれを解放することで、クラブヘッドが加速して、飛距離を伸ばせるのです。

(取材・文/小山俊正)