バンクーバー五輪が幕を閉じた。

 日本が獲得したメダルは銀3・銅2の5個。金メダルこそ獲れなかったものの荒川静香の金1個に終わった前回のトリノ五輪と比較すれば健闘したといっていいだろう。

 だが、浅田真央とキム・ヨナの日韓対決が注目されたこともあって、ワイドショーやネットでは「日本はなぜ韓国にメダル獲得数で後れをとっているのか」という話題が頻繁に取り上げられている。

 確かに韓国の躍進は目覚ましい。今回は金6・銀6・銅2の計14個ものメダルを獲得した。しかも効率がいい。韓国が派遣した選手は45人。日本は94人を送り込んでメダル5個だから、韓国がいかに少数精鋭でしっかり結果を出したかが分かる。

選択と集中で確実に狙う
韓国のメダル戦略

 ここのところ日本が韓国にメダル獲得数で後塵を拝する状況が続いている。4年前のトリノ大会は日本の金1個に対し韓国は金6・銀3・銅2の11個。夏季五輪も同様で、一昨年の北京大会は日本が金9・銀6・銅10の25個だったのに対して韓国は金13・銀10・銅8の31個だった。金メダル数はもとより総メダル数でも最近は韓国が日本を大きく上まわっている。

 隣国で選手の体格も環境もあまり変わりはない。しかも人口1億2千万人に日本に対して韓国は半分以下の4800万人あまり。なのになぜ負けるのかというわけだ。そして結論は大体、強化体制の違いや選手育成にかける金額に差があるということに収まる。

 もちろんそれも大きい。だがもうひとつの要素がある。国際大会に臨むうえでの戦略の違いだ。

 韓国がバンクーバーに送り込んだ選手45人中、スケートでスピードを競う競技の選手が半数以上の26人を占める(スピードスケート=16人、ショートトラック=10人)。そして、スピードスケートでは金3・銀2、ショートトラックでは金2・銀4・銅2と、キム・ヨナが獲ったフィギュアの金を除くすべてのメダルをこの2競技で獲得している。

 韓国はその他の競技、ジャンプやバイアスロン、ボブスレーなどにも選手は出しているが、出場権を得たから一応派遣するというだけで、さほど期待はしていない。ショートトラックとスピードスケートのふたつが「メダルが狙える競技」であり、これを集中的に強化し結果を出しているのだ。メダル狙いの競技とそうではない競技を明確に分けているのである。